2009 Fiscal Year Annual Research Report
下部尿路閉塞に伴う膀胱平滑筋におけるStat3の発現および機能解析に関する検討
Project/Area Number |
20591891
|
Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
横山 光彦 Kawasaki Medical School, 医学部, 講師 (40325113)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 綾英 川崎医科大学, 医学部, 助教 (90509340)
|
Keywords | 細胞・組織 |
Research Abstract |
本年度の研究では、平滑筋培養に伸展刺激を加えることによるSTAT-3発現の変化を検した。 雌性SDラットを用いて下部尿路閉塞モデルを作成した。1週後に下部尿路閉塞群、偽手術群それぞれの膀胱平滑筋を摘出し蛋白を抽出した後、抗体アレイを用いて蛋白発現を調べた。またSTAT3に対するsmall interfering RNA (siRNA)トランスフェクションの後、膀胱平滑筋細胞に、120%の伸長で周期的な機械的伸展刺激(1Hz)を与え、α-smooth muscle actinおよびSTAT3の発現を、免疫組織学的およびウエスタンブロッティング法で評価した。BOOモデルラット膀胱において1週間後には膀胱平滑筋肥大が確認され、64種の蛋白の発現が増加していた。ウエスタンブロッティング法にて、STAT3、bFGF、NF-kB、α-smooth muscle actinの増加を確認した。また免疫組織学的に、機械的伸展刺激を加えた膀胱平滑筋細胞ではα-smooth muscle actinの増加が認められ、STAT3に対するsiRNAトランスフェクション群ではα-smooth muscle actinの増加が抑制された。これらより、STAT3が、膀胱平滑筋肥大の重要な役割を果たしている可能性が示唆された。今後さらに、STAT3抑制剤であるtyrphostin AG490によっても同様に、smooth muscle actinの発現が阻害されるか否かについて検討を行う予定である。
|