2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20591896
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
服部 良平 Nagoya University, 大学院・医学系研究科, 准教授 (20324410)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 徳則 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (20182636)
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Keywords | 腹腔鏡手術 / 気腹圧 / 腎微小循環 |
Research Abstract |
低侵襲性のため多くの分野で腹腔鏡手術の適応の拡大を認めるが、気腹圧下での腎機能へ及ぼす影響については明らかではない。最近では腹腔鏡下の腎手術が増加し、術後の腎機能が重要な問題となるdonor腎摘除術も腹腔鏡下で行われるようになっている。しかし腹腔鏡手術での気腹圧の影響が腎機能に及ぼす影響については詳細には検討されていない。腎血流低下や腎阻血により大きく影響を受ける尿細管上皮周囲の毛細血管血圧は15mmHgといわれており、一般的に腹腔鏡手術で用いられる気腹圧8-15mmHgでの移植腎の腎機能に影響を及ぼす影響について研究を行った。(方法)2002年から2010年2月までに名古屋大学泌尿器科で腹腔鏡下Donor腎摘出術を行った例である。全例移植後腎機能は発現し、術後2週間までに拒絶反応を合併した症例は見られなかった。2006年までは気腹圧を12mmHgで行い(Ag群)、2007年以降は8mmHg(B群)で行っている。両群でのrecipientでの術後1週間までの血清クレアチニン値と、recipientでの術後1週間でのMAG3を用いた腎シンチグラムでのERPFについて比較検討した。(結果)術後1週間でのrecipientのERPFはA群(12mmHg)で229±71ml/minでB群(8mmHg)で252±52でありB群の方良好であった。手術翌日の血中CrはA群4.8±2.3mg/dlB群4.7±2.7mg/dlと差はみられなかったが、術後1週間目ではA群1.65±1.5mg/dlB群1.26±0.7mg/dlとB群の方で良好な腎機能を示した。(結論)気腹圧が12mmHとわずか高いだけでもレシピエントの腎機能に移植後1週間目と移植後のERPFに影響を及ぼすことが示唆された。
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