2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20591896
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
服部 良平 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (20324410)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 徳則 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (20182636)
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Keywords | 腎癌 / 腹腔鏡手術 / 気腹圧 / 腎機能 |
Research Abstract |
(目的)低侵襲性のため多くの分野で腹腔鏡手術の適応の拡大を認め、泌尿器科分野でも腹腔鏡手術が広く行われるようになっている。気腹圧下での腎機能へ及ぼす影響については明らかではないが私たちは今まで生体拡大内視鏡を用いて腎表面の赤血球速度の測定を行い気腹圧と腎表面血流について検討してきた。その結果気腹圧の増大とともに腎表面赤血球速度の低下がみられ20mmHgでは腎表面での血流が停止することを確認した。昨年の本研究では、腹腔鏡下donor腎採取術では気腹圧が12mmHgで行った群の方が8mmHgで行った群より移植早期の腎機能に影響を受けることを報告した。生体拡大内視鏡は器具の設定などが煩雑であるため、簡易に腎血流を測定する方法として酸素飽和度測定器に着目した。今回は、気腹圧15mmHg,12mmHg,8mmHgで行なわれた腹腔鏡手術中に酸素飽和度測定器を用いて気腹時間とともに腎臓の酸素飽和度が、どの程度変化するかを検討した。手術中に腎被膜が露出する腎孟形成術、Donor腎採取術、腎部分切除術を対象とした。 (方法)気腹圧15mmHg(n=5),12mmHg(n=7),8mmHg(n=7)で腹腔鏡手術を行った症例について帰福開始後から経時的に腎表面酸素濃度を測定した。 (結果および考察)気腹開始1時間での酸素飽和度に対し2時間ではほぼ100%であったが、3時間では95%と有意差はみられないがやや低下がみられた。これは、気腹圧12mmHgで4時間を超える手術では、症例によっては腎機能が低下することがありうることを示唆した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
気腹圧による腎に対する腎障害が酸素濃度計を用いることにより明らかとなり、実際の術後の腎機能への影響とも相関が示された。
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Strategy for Future Research Activity |
気腹圧による組織変化について検討する予定である。
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