2010 Fiscal Year Annual Research Report
心磁計測を導入した新しい系統的胎児不整脈検査・診断システムの構築
Project/Area Number |
20591906
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
濱田 洋実 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 准教授 (60261799)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小畠 真奈 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (20420086)
小倉 剛 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (40451702)
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Keywords | 出生前診断 / 超音波診断 / 心磁計測 / 先天性心疾患 / 先天性房室ブロック |
Research Abstract |
胎児不整脈に対する新しい有効な検査・診断システムの構築という大きな目標を達成するために、本研究では、いわばモデル疾患として先天性房室ブロックに着目し、新規に胎児心磁計測を導入した系統的出生前検査・診断システムの試験的構築、運用を目指してきた。この目的達成のために、本年度は、前年度までの研究に引き続き抗SS-A(Ro)抗体陽性妊婦について、妊娠中の胎児心磁計測、総合的胎児心臓超音波検査および胎児心拍数曲線解析を行い、同様に出生児については経時的に心電図解析を施行した。 その結果、先天性房室ブロック所見が得られた児は今年度も存在せず、当該疾患を足がかりとしたシステム構築研究はできなかった。ただし、その他の児において超音波検査所見も含めてその出生前検査所見は、いずれも出生後の所見と一致することが再度確認できた、また、前年度に引き続く胎児PR時間研究では、心臓超音波検査と比較した心磁計測の優位性を明らかにすることができた(投稿中)。また、先天性房室ブロックをモデル疾患とすることができなかったため、一定の症例数が得られた不整脈を伴いやすい先天性心疾患児、胎児発育不全児、母体耐糖能異常の児を中心に、試験的システム構築を行い運用した。なお、一連の研究による有害事象は観察されなかった。 これらの結果、その診断率等については満足する結果が得られ、費用対効果も許容されるものであり、我々が構築した心磁計測を導入した新しい系統的胎児不整脈検査・診断システムは実用的で安全性が高いという結論を得ることができた。 以上のように、本年度も概ね当初の計画どおりに研究を遂行することができ、3年間にわたる本研究の目的をほぼ達成することができた。
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Research Products
(1 results)