2009 Fiscal Year Annual Research Report
ゴナドトロピン分泌における大脳視床下部生理活性物質の作用機序に関する研究
Project/Area Number |
20591916
|
Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
宮崎 康二 Shimane University, 医学部, 教授 (50145322)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金崎 春彦 島根大学, 医学部, 講師 (10325053)
折出 亜希 島根大学, 医学部, 助教 (00423278)
|
Keywords | PACAP / GnRH / ゴナドトロピン |
Research Abstract |
【目的】ゴナドトロピンサブユニットはGnRHにより制御されるが、視床下部Pituitary adenylate cyclase-activating polypeptide(PACAP)もゴナドトロピン産生細胞に直接作用を有し、ゴナドトロピンを制御することが分かっている。GnRHはパルス頻度時依存性ゴナドトロピンサブユニット発現能を持つが、この時のPACAPの役割、ゴナドトロピン産生細胞内でのGnRH及びPACAPの相互作用について検討した。【方法】ゴナドトロピン産生細胞モデルとしてLβT2細胞を用いた。PACAP、PACAP受容体(PAC1受容体)、GnRH受容体発現はリアルタイム定量PCR法により測定した。LHb、FSHb発現はルシフェラーゼベクターを用いたプロモーターアッセイで評価した。刺激方法としてGnRH及びPACAPの静止刺激及びPerifusion systemを用いたパルス状刺激を行った。【成績】LβT2細胞において、GnRHは細胞内のPACAP発現及びPAC1受容体発現を増加させた。またPACAP刺激でGnRH受容体発現が増加した。高頻度GnRHパルス刺激はLHb、低頻度刺激はFSHbを特異的に増加させる事が知られているが、低頻度GnRHパルス刺激は高頻度刺激に比べて有意にPACAP発現を増加させた。一方PAC1受容体は両刺激頻度間で発現量に差は認めなかった。GnRH受容体発現は高頻度PACAPパルス刺激でのみ著明に増加した。PACAPは濃度依存的にLHb,FSHbサブユニット発現を増加させた。【結論】 GnRH、PACAPは双方の受容体発現を介したクロストークを持ち、刺激頻度依存性ゴナドトロピンサブユニット発現機構に関与している可能性が考えられた。
|