2008 Fiscal Year Annual Research Report
胎盤におけるVEGF受容体RNAプロセッシンング制御機構の解析
Project/Area Number |
20591919
|
Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
松原 圭一 Ehime University, 医学部附属病院, 准教授 (80263937)
|
Keywords | placenta / pICln / preeclampsia / pregnancy-induced hypertension / soluble Flt-1 / VEGF |
Research Abstract |
PIH患者胎盤において,pIClnとsFlt-1はどのように関連しているのか? 1)胎盤組織をpIClnに対する抗体によって二重染色し,その局在について検討する。 実績1)pIClnは胎盤内の血管内皮・絨毛(yncytiotrophoblast)に発現していた。また,妊娠高血圧症侯群(PIH)胎盤では,絨毛における発現が正常妊婦(NOR)胎盤に比して強く発現していた。 2)胎盤組織から抽出したmRNAを用いてpICln mPNAの発現について検討する。 実績2)胎盤組織から抽出したpICln mRNAの発現と臍帯血sFlt-1濃度は負の相関を示した。またPIH胎盤におけるpICln mRNAの発現は,NOR胎盤における発現に比して低値を示した。 絨毛細胞においてpIClnはどのように発現するのか? 1)絨毛細胞株に発現したpIClnの観察:ラット由来絨毛細胞株TBT (ジンチチオトロホブラスト細胞株をAng II・TNAα・低酸素[1%02]によって刺激した際の細胞内pICln発現の変化について検討する。 実績1)TNFαは,TBTにおけるpICln mRNA・蛋白の発現に影響を与えなかった。一方,Ang IIはpICln mRNAの発現を抑制した。低酸素刺激はTBTにおけるpIClnの発現をさらに抑制した。 2)TBTを刺激した際の上清中に分泌されるsFlt-1濃度をELISA法によって測定する。 実績2)TBTにおけるpICln mRNAの発現と培養上清中sFlt-1濃度とは負の相関を示した。 絨毛はPIH胎盤においてpIClnを刺激する事によってsFlt-1の産生を抑制しPIHの病態に対して抑制的に働いていると考えられる。
|
Research Products
(8 results)