2011 Fiscal Year Annual Research Report
子宮内膜症の病態の解明と新しい視点に基づく治療法の確立
Project/Area Number |
20591920
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
奈須 家栄 大分大学, 医学部, 准教授 (30274757)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西田 正和 大分大学, 医学部, 助教 (90404384)
楢原 久司 大分大学, 医学部, 教授 (60211447)
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Keywords | 子宮内膜症 / 病態 / 薬物療法 / 瘢痕化 / アポトーシス / マイクロアレイ / エピジェネティクス / microRNA |
Research Abstract |
子宮内膜症は全女性の3-10%に発生し、慢性骨盤痛、月経痛、性交痛や不妊などの症状を呈する。そのため子宮内膜症患者のquality of lifeは著しく低下する。本研究は、(1)子宮内膜症と免疫異常、(2)子宮内膜症とapoptosisの異常、(3)子宮内膜症と瘢痕形成の3つの観点から、子宮内膜症の病態の解明と新しい視点に基づく治療法の確立を目的として行った。 本年度は、子宮内膜症の病態形成におけるエピジェネティクスの関与について、培養子宮内膜症間質細胞を研究材料として、microRNAマイクロアレイによる網羅的解析法を用いて検討した。培養子宮内膜症間質細胞および培養正常子宮内膜間質細胞からtotal RNAを抽出した。microRNAマイクロアレイを用いて、子宮内膜症間質細胞で発現が亢進しているmicroRNA群を7種類、発現が低下しているmicroRNA群を10種類を抽出した。さらに、それらのmicroRNA群のうち、細胞増殖やapoptosisに関与するmicroiRNAとして知られているmiR-196bに着目し、機能解析を行った。 その結果、子宮内膜症間質細胞にmiR-196b precursorをtransfectionし、BrdU incorporation assay、caspase assay、cell death detection ELISAを用いて細胞増殖およびapoptosisについて検討した。その結果、miR-196bの導入により、子宮内膜症間質細胞のcaspase活性は亢進し、BrdUの取り込みは減少し、apoptosisに陥る細胞は増加した。また、miR-196bの導入により、c-myc、Bcl-2、hTERTおよびAATF遺伝子の発現は低下した。miR-196bの発現減少により、子宮内膜症間質細胞は増殖能とapoptosis抵抗性を獲得することが示唆された。現在、残りのmicroRNAについて、機能解析を行っている。 今後さらに本研究を発展させることにより、子宮内膜症の病態がさらに解明され、新しい視点に基づく治療法の確立に寄与するものと考えられる。
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Research Products
(28 results)