2009 Fiscal Year Annual Research Report
脱落膜化異常が関与する疾患の病態解明とその治療について
Project/Area Number |
20591928
|
Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
梶原 健 Saitama Medical University, 医学部, 准教授 (80286103)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石原 理 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (70176212)
板倉 敦夫 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (70262897)
|
Keywords | ヒト子宮内膜間質細胞 / 脱落膜化 / 酸化ストレス / フォークヘッド転写因子 / hCG |
Research Abstract |
分離培養したヒト子宮内膜間質細胞(HESCs)を用い、脱落膜化刺激としてcAMPとMPAを添加し、さらに0.01~11U/mlのrecombinant-hCG (rhCG)を同時に添加し培養した。脱落膜化したHESCsは酸化ストレス(H2O2)に対して強い抵抗性を有し、rhCGを添加することにより、さらにその抵抗性は増強した。hCG添加脱落膜化HESCs酸化ストレス抵抗性獲得のメカニズムを明らかにするため、酸化ストレス消去酵素である、MnSOD、Cu-ZnSOD、Catalaseの発現をウェスタンブロット法にて検討したところ、脱落膜化刺激にてその発現が誘導されたMnSODの発現はrhCGを添加することにより濃度依存性に誘導されたが、Cu-ZnSOD、Catalaseの発現には変化がなかった。また以前我グループがHESCsにおいてMnSODの発現を制御していることを明らかとしたFOXO1の発現も同様に誘導されていた。また、過酸化水素を添加することにより誘導されたpro-apoptic因子のbaxはrhCGを添加することによりその発現は低下したが、and-apoptic因子のbcl-2の発現は変化しなかった。以上より脱落膜化HESCsはhCG添加により(1)FOXO1を介したMnSODの発現誘導(2)baxの発現抑制という2つのメカニズムを介して酸化ストレス抵抗性を獲得していることが明らかとなり、着床改善薬としてのhCGの可能性が示唆された。また現在hCGとして臨床上用いられている、recombinant-hCG (rhCG)とurinary-hCG (uhCG)の2種類の製剤を用い、同様の検討を行ったところ、脱落膜化細胞への与える作用が異なることが明らかとなった。ここまでの結果を英文論文とし、現在投稿中である。
|
Research Products
(8 results)