2010 Fiscal Year Annual Research Report
脱落膜化異常が関与する疾患の病態解明とその治療について
Project/Area Number |
20591928
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
梶原 健 埼玉医科大学, 医学部, 准教授 (80286103)
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Keywords | 子宮内膜 / 脱落膜化 / SOD2 / 酸化ストレス / HCG |
Research Abstract |
(目的)脱落膜化したヒト子宮内膜間質細胞(HESCs)にヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(hCG)を添加すると、酸化ストレスへの抵抗性が増強することを報告した。現在hCGはその由来の違いによりrecombinant-hCG(rhCG)とurinary-hCG(uhCG)の2種類が使用されている。今回我々はrhCGとuhCGの脱落膜化HESCsへ与える影響の相違について検討した。(方法)同意を得て採取した子宮内膜からHESCsを分離培養し、脱落膜化刺激としてcyclic-AMP(cAMP)とmedroxyprogesterone acetate(MPA)を添加し、さらに0.1~11U/mlのrhCGまたはuhCGを同時に添加し培養した。これら細胞で、活性酸素消去酵素であるMn-SOD、 Cu, Zn-SOD、 catalaseの発現をウェスタンブロット法で検討し、培養上清中のプロラクチン(PRL)濃度も測定した。また、この培養系に酸化ストレスとして過酸化水素を添加し、誘導されるアポトーシスをELISA法により測定した。(結果)脱落膜化したHESCsにrhCGまたはuhCGを添加しても、形態学的には特に変化はなかった。しかし、脱落膜化マーカーである培養上清中のPRL値は、脱落膜化刺激によりその濃度が上昇し、uhCGを添加するとさらに上昇したが、rhCGを添加すると逆に抑制された。また、過酸化水素を添加することにより誘導されるアポトーシス細胞は、rhCGを添加すると減少したが、uhCGを添加すると逆に増加した。Mn-SODの発現は脱落膜化刺激により誘導され、rhCGを添加するとさらにその発現は増強され、uhCGを添加すると逆に抑制された。一方、Cu, Zn-SOD、 catalaseの発現には変化がなかった。(結論)脱落膜化HESCsに与えるhCGの影響は、レコンビナントと尿由来で異なることが明らかとなった。この相違はuhCGに含まれるEGFなど他因子による影響である可能性等が考えられた。
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Research Products
(8 results)