2009 Fiscal Year Annual Research Report
女性生殖器特異的な新規I型インターフェロンの遺伝子制御機構の解明
Project/Area Number |
20591934
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
松宮 朋穂 弘前大学, 大学院・医学研究科, 助教 (30344592)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今泉 忠淳 弘前大学, 大学院・医学研究科, 助教 (90232602)
吉田 秀見 弘前大学, 大学院・医学研究科, 講師 (40201008)
佐藤 敬 弘前大学, 大学院・医学研究科, 教授 (20125438)
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Keywords | 免疫応答 / 女性生殖器 / IFN-ε / 転写後調節 |
Research Abstract |
前年度に行った研究から、IFN-εmRNAの3'および5'非翻訳領域の塩基配列が同定された。この塩基配列をgenebankに登録されているIFN-εmRNAと比較したところ、3'非翻訳領域の塩基配列はほぼ一致したが、5'非翻訳領域はgenebank上ものよりも若干短く、約400塩基であった。この違いは、genebank上のIFN-εを含む一部のmRNAの転写開始点はシミュレーションによる予測配列であり、しばしば実際の転写開始点を反映していないことに起因するものと考えられた。IFN-εmRNAの3'ならびに5'非翻訳領域がmRNAの転写・翻訳効率に及ぼす影響を分子・細胞生物学的に検討したところ、IFN-εmRNAの5'非翻訳領域の付加により転写・翻訳効率が有意に低下することが判明した。申請者らが以前に行った研究結果からIFN-εmRNAはサイトカイン刺激により発現上昇するが、その発現亢進は転写後調節によることが明らかとなっている(Matsumiya Tら、J Immunol 2007)。そのため、この転写後調節は5'非翻訳領域を介していることが推測された。次に5'非翻訳領域中で転写後調節に関与している領域を特定することを目的に、レポーター遺伝子の5'側にIFN-εmRNA 5'非翻訳領域の様々な欠失変異配列を融合した発現ベクターを作製、細胞内へ遺伝子導入を行ったところ、5'非翻訳領域上の特定の配列を欠失することでレポーター遺伝子の発現量が亢進した。前年度の解析結果からIFN-εmRNA 5'非翻訳領域上にはヘアピン構造が予測される塩基配列が2か所認められたが、レポーター遺伝子の発現量変動とヘアピン配列の有無には有意な相関が認められた。更に、遺伝子発現量とタンパク質合成ではそれぞれ関連するヘアピン部位が異なることが明らかとなった。現在ヘアピン部位を介したIFN-εの調節因子について、さらに検討中である。
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Research Products
(1 results)