2010 Fiscal Year Annual Research Report
女性生殖器特異的な新規I型インターフェロンの遺伝子制御機構の解明
Project/Area Number |
20591934
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
松宮 朋穂 弘前大学, 大学院・医学研究科, 助教 (30344592)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今泉 忠淳 弘前大学, 大学院・医学研究科, 助教 (90232602)
吉田 秀見 弘前大学, 大学院・医学研究科, 講師 (40201008)
佐藤 敬 弘前大学, 大学院・医学研究科, 教授 (20125438)
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Keywords | 免疫応答 / 女性生殖器 / IFN-ε / 転写後調節 |
Research Abstract |
前年度までの研究からIFN-ε mRNAの5'非翻訳領域中には転写後調節に重要であるヘアピン構造配列が2か所存在し、同部位を介して恒常的にIFN-ε mRNAの発現量を抑制していることが明らかとなった。そこで本年度はヘアピン構造を介した遺伝子調節機構をさらに詳細に解明するために、ヘアピン構造に結合する細胞内因子の解明を目標に以下の実験を行った:1)In vitro transcription法によりIFN-ε mRNAの5'非翻訳領域のRNAを合成、そのRNAをbeadsに共有結合;2)細胞から細胞質分画と核分画をそれぞれ抽出;3)RNA結合beadsと各細胞抽出液を反応;4)pul-down法によりRNA結合タンパク質を回収;5)SDS-PAGEにより結合タンパク質を分離;6)分離したゲルを染色、特異的なバンドを回収;7)回収タンパク質を質量分析法で解析。その結果、ヘアピン構造に特異的に結合するタンパク質が細胞質、核のそれぞれの分画で認められた。これらのタンパク質はいずれもRNA結合タンパク質として報告されているが、ヘアピン構造との関連は明らかになっていない。また、他のI型IFNにおいてこのようなヘアピン構造を介した転写後調節機構に関する報告はない。このことはIFN-εの女性生殖器特異的な発現に、ヘアピン構造やヘアピン結合タンパク質が深く関わっている可能性を示唆している。今後は本研究でIFN-ε mRNAとの結合が推測されたRNA結合タンパク質を個々に解析し、さらに詳細に組織特異性との関連を検索するとともに、RNA結合タンパク質の活性化経路などを介した女性生殖器における局所免疫応答機構を解明する予定である。
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