2012 Fiscal Year Annual Research Report
治療前婦人科がん不顕性血栓塞栓症発見法と顕性化予防法の確立および発生機序の解明
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20591937
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
佐藤 豊実 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (80344886)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 裕之 筑波大学, 医学医療系, 教授 (40158415)
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Project Period (FY) |
2008-04-08 – 2013-03-31
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Keywords | 卵巣がん / 子宮体癌 / 子宮頸癌 / 静脈血栓塞栓症 / 発症予防 / スクリーニング / D-dimer / 危険因子 |
Research Abstract |
1. 卵巣がんは本研究課題採択前に論文化しており、本課題の研究期間中は対象患者を増やして追試をおこない、また、DD値のcut off値の検討を行った。患者数は論文作成時の78名が168名に増えた。症例数が増えても卵巣がんの治療開始前に発見される静脈血栓塞栓症(VTE)の頻度、約25%に変化はなかった。一方、患者数が増える事によりDD値のcut off値は1.5 μg/mlから0.5 μg/mlに変更する事が妥当であるとの結果が得られた。 2.子宮体癌の治療開始前のVTEの頻度が約10%で、その独立した有意な危険因子は「子宮体癌の子宮外進展」および「非類内膜腺癌」である事を世界で初めて明らかにし、VTEを持つ患者に適切な治療を選択する事で術後の症候性、あるいは致命的VTE発症を抑制できる可能性を英文誌に報告した。 3.子宮頸癌では、治療開始前のVTEの頻度が約5%で、その独立した有意な危険因子は「60歳以上」「進行期4期」「腫瘍径50 mm以上」である事を世界で初めて明らかにし、治療開始前にVTEを発見し適切な治療を行う事で特に放射線療法中の症候性VTE発生を抑制できる事を合わせて英文誌に報告した。 4. 卵巣明細胞腺癌において治療開始前VTEの発生原因のひとつは組織因子である事を我々は本課題採択前に英文誌に報告しているが、症例数が少なく追試を行う予定であった。これについては期間内に論文化に至らず現在研究を継続し、データ集積、執筆準備中である。 5. 婦人科悪性疾患で治療開始前からVTEを持っている患者の頻度が高い事を明らかにし、VTEを持つ患者に対して適切に治療に当たることでがんの治療中(術後や放射線療法中)に発生する症候性(あるいは致命的)VTE発症が抑制できる事を研究期間中に英文誌に報告し、総説、学会発表などを通して婦人科医に広めた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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