2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20591939
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
関根 正幸 Niigata University, 医歯学総合病院, 助教 (70345502)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加嶋 克則 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (50345500)
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Keywords | 婦人科腫瘍学 |
Research Abstract |
(1)家族性乳癌卵巣癌家系におけるBRCA変異解析 新たに家族性乳癌卵巣癌を2家系解析し、2家系にBRCA1変異(L63X)を認めた。累計では乳癌卵巣癌105家系のうち、52家系にBRCA1(49.5%)、7家系にBRCA2(6.7%)の変異を検出している。 (2)ベータカテニン蛋白の卵巣癌組織における発現 BRCA1変異陰性卵巣癌10検体、BRCA1変異陽性卵巣癌10検体において、total beta-cateninおよびactive form beta-cateninの免疫組織染色を行った結果、totalは全例で細胞質(細胞膜)に染色を認めた。active formは陰性で4/10例、陽性卵巣癌で1/10例に核染色を認め、ベータカテニン蛋白発現の差異が示唆される。 (3)脳転移とBRCA1遺伝子変異 上皮性卵巣癌における脳転移例は全体の1〜2%と非常に稀であるが、当科における家族性卵巣癌症例3例に脳転移を認めた。そこで脳転移とBRCA1の関連を調べるため、脳転移症例を対象にBRCA1のダイレクトシーケンス、およびLoss of Heterozygosity (LOH)解析、抗BRCA1モノクローナル抗体を用いて免疫染色を行った。7例のうち3例が家族性症例、4例が散発性症例であり、家族性症例3例すべてにLOHを認め、うち2例ではBRCA1に胚細胞性変異(Q934X、L63X)を認めた。散発性症例4例では1例にLOHを認めた。免疫染色では、LOH陽性の4症例すべてにおいて核染色を認めず、脳転移7症例中4例(57.1%)において、腫瘍組織におけるBRCA1異常の存在が疑われた。今後は、脳転移との関連が報告されているHer2やCadherinとBRCA1との関連を、発現解析を行うことで解明する予定である。
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Research Products
(2 results)