2008 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロRNAによるテロメラーゼ制御機構の解明と子宮頸癌治療への応用
Project/Area Number |
20591940
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
高倉 正博 Kanazawa University, 附属病院, 助教 (20313661)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
京 哲 金沢大学, 医学系, 講師 (50272969)
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Keywords | 癌 / マイクロRNA |
Research Abstract |
【目的】本研究ではテロメラーゼ発現の決定因子である逆転写酵素hTERT発現調節におけるmiRNAの役割を検討し、さらに子宮頚癌との関係を探った。 【方法】hTERT mRNAの3'UTRに高い相同性をもつmiRNAをSanger institute miRBase Sequence databaseでピックアップし子宮頚癌細胞株に導入しテロメラーゼ活性(TA)をTRAP法で調べるとともに、mRNA発現も検討した。逆に正常細胞でmiR299-3pをknock downし同様の実験を行った。さらにhTERT mRNAの安定性をmRNA stability assayで検討するとともに、様々な長さのhTERT mRNA 3'UTRを組み込んだレポータープラスミドを作成しmiRNAの作用する責任領域を調べた。また子宮頚癌組織および正常子宮頚部組織においてhTERTとmiR299-3pの発現をreal time RT-PCR法で測定した。 【成績】miRNA miR-299-3pがTAとhTERT mRNA発現を抑制した。正常細胞ではmiR299-3p knock downでhTERT mRNAが増加した。miR299-3p存在下ではhTERT mRNAの分解が特異的に促進されており、この作用はhTERT mRNA上のmiR-299-3p結合領域を介する作用であった。臨床検体において子宮頚癌ではmiR299-3pの発現が正常組織に比べて有意に少なく、hTERT発現と逆相関を示した。 【結論】miR299-3pはhTERT mRNAの分解促進によってテロメラーゼを抑制している。子宮頚癌ではmiR299-3pの発現が減少しており、これがテロメラーゼ活性化を誘導し癌化と関与している可能性が示された。
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