2010 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロRNAによるテロメラーゼ制御機構の解明と子宮頚癌治療への応用
Project/Area Number |
20591940
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
高倉 正博 金沢大学, 附属病院, 助教 (20313661)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
京 哲 金沢大学, 医学系, 講師 (50272969)
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Keywords | 癌 / マイクロRNA |
Research Abstract |
【目的】本研究ではテロメラーゼ発現の決定因子である逆転写酵素hTERT発現調節におけるマイクロRNAの役割を検討し子宮頚癌との関係を明らかにすることを目標とした。平成22年度は昨年度までの研究で明らかになったhTERTを制御するmRNA miR299-3pに関する詳細な検討を行った。 【方法】miR299-3pによるhTERT mRNA分解促進機構の解明のためにDicer1の遺伝子ノックダウンを行い、miR299-3pの発現ならびにテロメラーゼ活性への影響を調べた。またmiR299-3pのアンチセンスオリゴヌクレオチドをトランスフェクションして子宮頚癌細胞株への影響を調べた。 【成績】Dicer1のノックダウンにより子宮頚癌細胞株ではmiR299-3pの発現減少とhTERTの発現増加ならびにテロメラーゼ活性の増強が認められた。このことからmiRNA miR-299-3pはDicer1依存的にhTERT発現を抑制しテロメラーゼ活性を制御していることが明らかになった。またアンチセンスオリゴヌクレオチドによるmiR299-3pの抑制でも同様のhTERTとテロメラーゼ活性の変化が認められた。 【結論】特定のマイクロRNA(miR299-3p)の発現減少が癌化過程において認められ、これがテロメラーゼ活性化に関与していることが明らかになった。このことは発がんにおけるマイクロRNAの関与を示唆する重要な所見と考えられる。
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