2009 Fiscal Year Annual Research Report
TDT解析を用いた日本人子宮内膜症発症関連遺伝子の解明
Project/Area Number |
20591946
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
吉田 茂樹 神戸大学, 医学研究科, 准教授 (70294212)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小原 範之 神戸大学, 医学部附属病院, 准教授 (70214210)
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Keywords | 子宮内膜症 / 遺伝子多型 / TDT解析 / SNP / 一塩基遺伝子多型 |
Research Abstract |
出産の高齢化や生活環境の変化により子宮内膜症は近年増加傾向にあるが、その発生機序には不明な点が多い。これまで本疾患に関する研究から、子宮内膜症の遺伝的素因の存在の可能性が報告され、子宮内膜症に関連する複数の遺伝子が相互に干渉して子宮内膜症が発症するという仮説が提唱されている 申請者は、子宮内膜症との関連が疑われる複数の遺伝子多型と子宮内膜症発症との関連について、日本人検体を用いて、まずは患者対照研究(case control study)を行い、さらに有意差が認められた遺伝子領域を対象として複数のマイクロさてライトナーカーを設定し、Transmission disequilibrium test(TDT解析)を用いた遺伝疫学的手法を用いて、本疾患原因遺伝子を同定する。 日本における子宮内膜症症例ならびに健常者を対象とし、これまでに、TNF-beta、E-cadherinを含む子宮内膜症との関連が予想される複数の遺伝子上の遺伝子多型を解析してきた。 平成21年度には、20年度においてPCR反応の不具合等により時間を要した問題を解決し、さらにTransforming growth factor beta1、CYP1B1、tumor necrosis factors-beta、Interleukin-10の特にプロモーター領域を対象として研究を進めた。これら遺伝子領域における遺伝子多型を解析し、その出現頻度を対照群と比較した相関解析を行った。その結果、健常コントロール群と患者群の間にアリル頻度、遺伝子多型分布とも有意な差を認めなかった。子宮内膜症rAFS IV期[重症群]と健常者群との間でも同じ解析を行ったが、有意な差を認めなかった。 これら患者対照研究を進めると同時並行して今後の研究を発展させる目的で、TDT解析に供する患者とその両親の検体を収集し、DNAを抽出保存した。
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