2010 Fiscal Year Annual Research Report
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20591951
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
苛原 稔 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (20160070)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松崎 利也 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (70294692)
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Keywords | 多嚢胞性卵巣症候群 / PCOS / テストステロン / アンドロゲン |
Research Abstract |
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の診断では、血中アンドロゲン値は重要である。現行のエクルーシス試薬テストステロン(旧キット)を用いた血中テストステロン(T)値測定では、T前駆体との交差反応により正しい評価が困難であった。最近、特異度を改善したエクルーシス試薬テストステロンII(新キット)が開発された。今回の検討で新キットの基準値を策定した上で、更に、新旧両キットでのPCOS患者等における高T陽性率を比較した。正常月経周期女性、閉経女性、成人男性の計235検体を新旧両キットで測定しその相関を検討した。乖離例を含む3検体はLC-MS/MS法でTを再測定し新旧キットでの値と比較した。また新キットによるT基準値の範囲を、各群で平均値±1.96標準偏差から算出した。更に、正常月経周期女性、PCOS以外の排卵障害患者、PCOS患者の計203検体のT値を新旧両キットで測定し、各々のキットの正常範囲上限をカットオフ値とし、PCOS症例ではT高値率、他の症例ではT非高値率を比較検討した。その結果、旧キットと新キットの相関は高かった。男性検体では両者の測定値はほぼ同じであったが、正常女性検体で新キットは旧キットに比して約40%低値を示した。LC-MS/MS法の測定値は、新キットの値に近かった。新キットでのT基準値は、正常女性群で0.11~0.47ng/ml、閉経女性群で0.04~0.43ng/ml、男性群で1.4~8.7ng/mlと算出した。また、新旧キットのT非高値率は正常月経周期女性で共に98.9%、PCOS以外の排卵障害患者で共に96%であった。PCOS患者でのT異常高値率は旧キットで30.2%、新キットで44.2%と、新キットで高かった。新キットはTに対する特異度が高く、旧キットに比べ女性でのT測定値が約40%低くなり、LC-MS/MSの測定値と近い値を示すことから、女性のT測定に適していること、また、PCOS患者でのT高値率が高く、PCOSの診断において有用性が高いと考えられた。
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Research Products
(41 results)