2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20591968
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大島 猛史 Tohoku University, 大学院・医学系研究科, 准教授 (40241608)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川瀬 哲明 東北大学, 大学院・医工学研究科, 教授 (50169728)
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Keywords | 耳管 / 耳管開放症 / 生食点鼻 / 体重減少 |
Research Abstract |
中耳・耳管粘膜の分泌に関する研究は中耳炎発症機序の解明に重要である。耳管の病的状態の発来は単に耳管周囲組織の物理的ボリュームの増減だけによるのではなく分泌機構の大きな関与が推察されている。前年度の研究から、培養細胞による耳管分泌の解析に加え、臨床データの解析、ヒトでの組織学的検討の必要性を認識したため、21年度は、ラットの耳管粘膜上皮細胞、耳管腺それぞれの培養系を確立することを試み、さらに、臨床データの解析を試みた。前年度にラットの組織標本を作製し、耳管へのアプローチ法、組織採取法を検討したが、これに基づき細胞を採取した。培養条件の検討により、耳管腺由来の細胞を確認できた。しかし、線維芽細胞の増生が強いため、耳管腺細胞によるコンフルエントな培養状態を作り出すことができず、さらなる工夫が必要と考えられた。また、耳管分泌機能は耳管開大圧に影響を与えると考えられるが、ラットでの経時的な耳管機能の変化をみるために受動的耳管開大圧の測定を行い、この結果は第19回日本耳科学会で報告した。ラットに耳管腺分泌を促進させると推定される薬剤を投与し、耳管開大圧の変化を測定した。まだ、データのばらつきが見られ、結論は出せないが、耳管分泌が耳管開大圧に影響を与えていると示唆された。同時に、組織学的検討を行っているが、詳細は次年度に検討したい。さらに、動物だけでなく、ヒトでの臨床データの集積も行い、耳管の管腔構造をCTを用いて3次元的に解析し、この結果を英文誌に報告した。
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Research Products
(3 results)