2008 Fiscal Year Annual Research Report
蝸牛有毛細胞の再生に関わる支持細胞の分裂・増殖・分化とアポトーシスの機構の解明
Project/Area Number |
20591973
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鈴木 光也 The University of Tokyo, 医学部附属病院, 准教授 (50302724)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山岨 達也 東京大学, 医学部・附属病院, 教授 (60251302)
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Keywords | 未成熟ラツト / Caspase3 / 27 / アポトーシス / 蝸牛 / 半規管膨大部 |
Research Abstract |
1)未成熟ラット(生後0日、1日、2日、3日、7日、14日)の蝸牛と前庭迷路の感覚上皮を観察する目的で、それぞれの動物の左側頭骨を摘出して脱灰処理を行い、パラフィンにて包埋後に切片を作成した。感覚上皮におけるアポトーシス誘導の状態を観察するために、申請者らが先の研究で行った方法(Sakamoto T et al. J Neurosci Res. 85:548-57.2007)に準じ、抗Caspase3抗体を用いて支持細胞のアポトーシス誘導の有無を採取日ごとに観察した。それと共に抗p27抗体を用いて支持細胞の増殖能の有無を観察した。生後0日のラットではコルチトンネルが形成され始め、生後3日目ラットではほぼ完成していた。生後0日、1日、2日、3日の蝸牛の支持細胞領域においては特にGreater epithelial ridgeの領域において抗Caspase3抗体による陽性反応が確認された。抗Caspase3抗体陽性細胞は半規管膨大部の支持細胞領域にも多数認められた。一方、蝸牛および半規管膨大部の支持細胞領域において抗p27抗体陽性細胞は認められなかった。これらの所見は生後0日〜3日までのラットでは、支持細胞の増殖能は残存するもアポトーシスも出現し始めていることが示唆された。生後7日および14日目の一部のラットにおいて抗Caspase3抗体および抗p27抗体ともに陽性細胞が観察されており、残りの標本についても検討中である。2)鍋牛障害を有する幼若ラットの作成を目的に妊娠ラットに対して出産予定日7日前よりカナマイシンを連日投与したが、Grepithelial redgeに明らかな変化は観察されなかった。今後は薬剤の変更とその投与方法の改善が必要と思われ、組織培養条件下でのネオマイシン投与による観察など検討中である。
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