2010 Fiscal Year Annual Research Report
蝸牛有毛細胞の再生に関わる支持細胞の分裂・増殖・分化とアポトーシスの機構の解明
Project/Area Number |
20591973
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鈴木 光也 東邦大学, 医学部, 教授 (50302724)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂本 幸士 東京大学, 医学部・附属病院, 特任講師 (50323548)
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Keywords | 未成熟ラット / BrdU / 有毛細胞消失 / 蝸牛 / ネオマイシン |
Research Abstract |
1) ネオマイシン投与による蝸牛毒性の時期の検討 生後7日目の未成熟ラットの蝸牛を摘出して、surface preparation techniqueを用いてコルチ器を分離後、ネオマイシン1mMを含んだ培養液中に浸漬し、2-5日間組織培養を行い、10%ホルマリンで固定し、その後Triton Xで処理した後にRhodamin Phalloidin染色を行い、蛍光顕微鏡にて有毛細胞と支持細胞の状態を観察した。5日間の組織培養では外有毛細胞領域にscar formationが観察できたが、全体に組織の変性が強く、scar formation数を算定することは困難であった。また2日間の組織培養ではscar formationは明らかではなかった。 2) 有毛細胞障害後の支持細胞分裂の観察 生後7日目の未成熟ラットの蝸牛を摘出して、上記研究と同様の操作を行ってネオマイシン1mMを含んだ培養液中に浸漬し、5日間組織培養を行った。有毛細胞傷害後の支持細胞の分裂・増殖の状態を観察するために、培養3日目からはBrdU1mg/Lを培養液中に混入させた。10%ホルマリン固定後、surface preparation techniqueを用いて標本を作製し、抗BrdU抗体を用いて免疫染色を行ってBrdUの取り込み細胞を観察したところ、数個のBrdU陽性細胞を確認できたがその数はかなり少なく、またその細胞が支持細胞か支持細胞下の細胞かを限定することは困難であった。そこでコルチ器をパラフィン包埋し薄切片を作成し観察したが、支持細胞内にBrdU陽性細胞を同定することは出来なかった。以上、培養条件下では有毛細胞の障害後3日以内に明らかな支持細胞の増殖を確認できなかった。
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