2009 Fiscal Year Annual Research Report
サルを用いた強大音による外眼筋誘発筋電位動物モデル作成
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20591975
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
将積 日出夫 University of Toyama, 大学院・医学薬学研究部(医学), 准教授 (60187507)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀 悦郎 富山大学, 大学院・医学薬学研究部(医学), 准教授 (90313600)
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Keywords | サル / 強大音 / 誘発筋電位 / 外眼筋 / 球形嚢 |
Research Abstract |
強大音により対側外眼筋に誘発される短潜時筋電位反応は、外眼筋前庭誘発筋電位(oVEMP)と呼ばれ、新しい平衡機能検査として、臨床応用が期待されている。しかし、oVEMPの起源や神経経路については基礎的な解明は十分に行われていない。そこで本研究では、oVEMP異常所見の診断学的な意義を検討するため、サルを用いてoVEMP検査のための障害動物モデルを作成した。ヒトoVEMPは、眼位により反応が異なり、上方固視のみで良好な記録が得られるため、訓練により上方固視の保持が可能なサルをモデル動物として用いた。今年度(2年目)は、初年度に完成した正常の無麻酔サルの眼窩周囲より強大音により誘発される外眼筋誘発筋電位反応を記録する刺激記録システムを用い、上方固視の訓練を行ったサルを用いてoVEMPを記録した。 1頭の無麻酔覚醒時上方固視訓練サルにおいてoVEMP記録を行った。oVEMP記録には、日本光電社製ニューロパックΣを中心としたoVEMP刺激・記録システムを用いた。記録時、サルは頭部固定用ホルダーによりモンキーチェアーに備え付けてある脳定位固定装置に固定をした。サルの左眼前には赤外線CCDカメラを固定し、記録中のサルの眼球運動をモニター出来るようにした。記録時には、サル正面のモニター上に固視点が出現し、上方固視時のoVEMPを記録した。音刺激は500Hzの短音を用い、刺激頻度5Hzで200回加算を行った。訓練中は、ジュースあるいはゼリービーンズ等を適宜与えてストレスの軽減を図った。oVEMP記録には、眼球下方の頬部皮膚に1組の銀塩化銀電極を装着した。 サル1頭において対側耳の刺激において、音刺激開始から10msec程度に2相性の誘発筋電位を記録した。最終年度は、本システムを用いて複数のサルに対するoVEMP記録を引き続き行い、閾値、同側反応の有無、眼位の影響など、強大音の応答するサルoVEMPの特徴についてさらに明らかにする。
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Research Products
(3 results)