2010 Fiscal Year Annual Research Report
多種類の刺激様式による前庭性高次脳機能応答に関する研究
Project/Area Number |
20591976
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
渡邉 行雄 富山大学, 医学薬学研究部(医学), 教授 (10108037)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高倉 大匡 富山大学, 医学薬学研究部(医学), 助教 (50345576)
梅野 克身 富山大学, 医学薬学研究部(医学), 助教 (90086596)
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Keywords | 機能的近赤外分光法 / 双極子追跡法 / 前庭刺激 / 脳高次機能 |
Research Abstract |
本研究では、前庭刺激に対する高次脳応答に関して、非侵襲的高次脳機能測定法を用いて新たな知見を得ることを目的としている。H22年度は、視運動刺激の方向性の違いが自己回転感(CircularVection:CV)出現中の中枢応答に及ぼす影響について検討するために、全頭型近赤外線分光法(NIRS)を用い、同一記録中に水平刺激と垂直刺激を交互に行うことで、両刺激条件に対する大脳皮質の血流変化を比較検討した。被験者はヘッドキャップにNIRS用プローブを装着し坐位開眼状態で実験を行った。被験者頭部が乳白色半球状スクリーン(アクリル板製、半径500mm)の中央にくるように設置して実験を行った。プロジェクターにて被験者後方より画像をスクリーンに投影し、スクリーンの内面に写った画像を被験者に呈示した。視運動性刺激では、ランダムドットパターンを用い、30°/secの等角速度視運動刺激1分間(左→右方向、上→下方向それぞれ5回)とその後の1分間の視覚刺激無し、を繰り返し行った。対照条件では、静止画像呈示を1分間、その後1分間の視覚呈示無し、を繰り返した。この時の脳血流反応と、静止画呈示中の脳血流反応を比較し、一般線型モデル(GLM)を用いた統計的解析を行い、CV出現中に有意に血流変化を認めた脳領域を特定した。被験者として健常成人男性8名(右利き7名、左利き1名、21~39歳平均30.1±6.7歳)を用いた。その結果、両刺激とも前頭葉や側頭葉、頭頂葉、後頭葉など様々な大脳皮質領域で有意な脳血流変化を示した。これら脳領域は、過去の視運動刺激やCVも含めた前庭覚に関する機能画像の研究で示された脳領域とほぼ同様であった。しかしその血流変化のパターンは刺激の方向で異なっていた。 以上の結果から、CVの方向の違いによって、大脳皮質の活動の様式が異なっている事が明らかとなった。
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Research Products
(2 results)