2008 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト難聴等価モデル動物におけるラセン神経節細胞前駆細胞の可視化と動態に関する解析
Project/Area Number |
20591980
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小島 憲 Kyoto University, 医学研究科, 客員研究員 (60378685)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大塚 俊之 京都大学, ウイルス研究所, 准教授 (20324709)
池田 勝久 順天堂大学, 医学部, 教授 (70159614)
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Keywords | ラセン神経節 / 前駆細胞 / 難聴モデル動物 / 動態 / 聴覚再生 |
Research Abstract |
in vitroでの研究では成熟後もラセン神経節細胞の前駆細胞が存することが示唆されているが、前駆細胞の存在部位は未だ不明であり、また、前駆細胞が存在するにもかかわらずなぜラセン神経節細胞は再生しないのか、という疑問に対して明瞭な回答は無い。 本研究課題ではin vivoおよびin vitroでの手技を駆使して、ヒト等価の遺伝性難聴モデル動物と正常動物内耳におけるラセン神経節細胞前駆細胞の動態について析を開始した。 初年度の平成20年度で下記を行った。 1.ダブルトランスジェニック動物の作製 2.発達・成熟過程におけるラセン神経節細胞前駆細胞に関する組織学的解析 3.ラセン神経節細胞前駆細胞の培養系を用いた組織学的・生理学的解析 1に関しては現在進行中であり、完成すればヒト等価の遺伝性難聴モデル動物での前駆細胞と予想している細胞の動態を観察することが可能となる。 2に関してはヒト等価の遺伝性難聴モデル動物と正常動物内耳におけるラセン神経節細胞やその前駆細胞と予想している細胞の数を発達とともに比較検討している。成熟後も前駆細胞と予想している細胞が存在していることが明らかになったことから、内耳のin situ regeneratioへの展開を期待させる。 3に関しては培養系において前駆細胞と予想している細胞から誘導した神経様細胞にて不十分ではあるが活動電位を認めた。このことは適切な誘導を行えば生体内でも神経様細胞に分化誘導が可能なことを示唆し、内耳のin situ regeneratioへの展開を期待させる。
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