2008 Fiscal Year Annual Research Report
顔面神経麻痺に対するウイルスベクターを用いた治療戦略の基礎的研究
Project/Area Number |
20591985
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
高橋 宏尚 Ehime University, 医学部附属病院, 講師 (90403807)
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Keywords | 顔面神経麻痺 / 単純ヘルペスウイルス / 神経細胞 |
Research Abstract |
特発性末梢性顔面神経麻痺であるベル麻痺は、脳神経麻痺の中で最も高頻度(年間人口10万人あたり約30人)であり、非対称な顔貌が後遺症として残るため患者に与える苦痛は大きく、現代社会において課題の多い疾患である。麻痺の病因として単純ヘルペスウイルス1型の関与は明らかなものとなっているが、治療法の確立にはまだ至っていない。申請者らは、HSV-1初感染、再活性化による顔面神麻痺モデルの作成に世界で初めて成功している。本研究の目的は、ウイルスベクターを使用し、新しい治療法を開発することにある。ウイルスベクターとして感染を減弱したHSV-1(具体的にはウイルスの最外膜であるエンベロープ上の蛋白であるグライコプロテインE;gEを欠損させたもの)を使用し、神経成長因子などの再生を促進しうる薬剤を神経細胞に運搬できるかを検討している。 彦顛神経麻痺に対する新しい治療法としてウイルスベクターを用いた神経成長因子などの神経内局在投与が様々な領域で注目されている。このベクターとして逆行性に軸索を上行するHSVは候補の一つと考えられている。このうちHSV-1のグライコプロテインE(以下gE)は、ウイルスが細胞から細胞へ、また細胞体から神経へ拡がるために必要と考えられている。このHSV-1のgEに注目し、gEを欠損させたHSV-1(以下HSVgE mutant)をベクターになりうる候補と考え、培養神経細抱を用いてウイルスの伝播や拡がりに対する基礎実験を行った。その結果、gE欠損ウイルス株では、神経伝播が障害され、感染性が減溺していることが明らかになった
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Research Products
(2 results)