2010 Fiscal Year Annual Research Report
特発性顔面神経麻痺の新たな麻痺発症責任部位に関する基礎的研究
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20591986
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
脇坂 浩之 愛媛大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (30304611)
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Keywords | HDV-1 / ルートエントリーゾーン |
Research Abstract |
再活性化顔面神経マウスモデルを作成し、同モデルからを再活性化刺激後1日から14日後まで連日で生理食塩水および4%パラフォルムアルデヒドで経心還流固定を行い、顔面神経管内顔面神経(膝神経節を含む)及び脳幹を摘出した。再びパラホルムアルデヒドにて後固定後にパラフィンにて包埋、薄切して切片を作成した。その切片を用いて抗HSV-1抗体を一次抗体に用いた免疫組織化学を行った。蛍光顕微鏡で末梢および中枢神経の観察を行い感染成立部位での感染標的細胞の研究と、その時間的、空間的増殖経路の研究を行った。その結果、ウイルスは再活性化3日後には末梢の膝神経節と顔面神経核にウイルス増殖が認められた。これらの感染部位での抗体反応は再活性化7日後をピークとして再活性化刺激14日後ごろまで見られた。以上より、膝神経節、および顔面神経核がウイルス再活性化および感染の中心部位であることが明らかになったため、この3か所より同条件の電子顕微鏡用の資料を作成し、同資料を用いて電子顕微鏡での観察を続けているが概要は以下の通りである。膝神経節部では神経節神経細胞内でウイルスの増殖が2日後には始り、再活性化刺激後の4日後には神経細胞の変性が出現するとともにシュワン細胞の変性が見られた。シュワン細胞の変性は脱髄性変性と軸索変性が混在していた。顔面神経核では再活性化4日ごろに神経細胞にウイルス増殖を認め、5日後には神経細胞の空胞変性が著名となった。
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Research Products
(3 results)