2009 Fiscal Year Annual Research Report
内耳水代謝における水チャネルとイオン共輸送体の水ポンプとしての役割に関する研究
Project/Area Number |
20591987
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
竹田 泰三 Kochi University, 名誉教授 (50115705)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柿木 章伸 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (60243820)
西岡 利恵 高知大学, 教育研究部・医療学系, 助教 (20398051)
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Keywords | vasopressin / aquaporin / 水チャネル / bumetanide |
Research Abstract |
Vasopressinの皮下投与で、血管条の細胞間隙には著明な液貯留が認められた。細胞間隙の拡大は、vasopressin投与後20分がピークで、以下減少して1時間後には細胞間隙は消失した。この細胞間隙は、vasopressin type 2 receptor (V2R)のプロッカーを前投与するとvasopressin投与20分後に軽度の間隙は見られるがその程度は減少した。Vasopressinに制御される水チャネル、aquaporin2は血管条基底細胞の外側に存在することより、以上の実験結果は基底細胞上のaquaporin2由来の水チャネルが増加し、血管条内への水の流入が増加したものと考えられた。細胞間隙の液貯留はloop利尿剤の1つであるbumetanideを負荷した場合でも起こる。Bumetanide負荷による細胞間隙形成もV2Rプロッカーの前投与で抑制される。しかし、基底細胞にはaquaporin1由来の水チャネルを持つ線維芽細胞とgap junctionで交通があるため、血管条内の水の流入を完全には抑制できないためか、細胞間隙の形成抑制は部分的なものであった。内リンパ嚢にも、血管条と同様aquapori2水チャネルとNa-K-2Cl Co-trnasporterが存在するため、血管条と同様の変化が期待されたが、vasopressin負荷で一部の細胞に浮腫が生じた以外、顕著な組織変化はみられなかった。内リンパ上皮には、ミトコンドリアが豊富な細胞とそうでない細胞があり、興味深い所見であったが、vasopressinを内リンパ嚢内に直接注入する投与法は手技的に難しく、全身投与で再実験をし、詳細に検討する必要があると考えた。
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Research Products
(3 results)