2010 Fiscal Year Annual Research Report
ポジトロン断層法(PET-CT)を用いた高度難聴児への電気聴覚検査法の開発
Project/Area Number |
20591990
|
Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
東野 哲也 宮崎大学, 医学部, 教授 (80145424)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牛迫 泰明 宮崎大学, 医学部, 助教 (10185001)
奥田 匠 宮崎大学, 医学部, 助教 (60404456)
長町 茂樹 宮崎大学, 医学部, 准教授 (40180517)
小玉 隆男 宮崎大学, 医学部, 准教授 (40153564)
永野 由起 宮崎大学, 医学部, 医員 (50404405)
|
Keywords | 脳神経疾患 / 臨床 / 高度難聴 / 人工内耳 / 聴覚中枢 |
Research Abstract |
2010年4月から2011年3月の間に本研究への参加の同意が得られた高度難聴患者は2歳小児の1名で、初年度の6名、次年度の11名に加え、計18名のPETデータが蓄積された。 内訳は、先天聾小児7名と、言語習得後失聴成人11名であり、現在人工内耳による聴覚リハビリテーションを進めている。 このうちまず言語習得後失聴者群7名を、健聴者群10名とSPMにより比較したところ、前者で右上側頭回、両中側頭回、左下側頭回、右下頭頂小葉、左島皮質での糖代謝の低下が認められた。聴覚刺激の喪失により、側頭葉の一次聴覚野ならびに聴覚連合野に、神経活動の低下がみられることが示唆された。 これをもとに、両聾と網膜色素変性症による全盲のUsher症候群患者での脳糖代謝の状態を評価した。ただし、本例では既に右人工内耳装用後13年を経過し、術後の聴取成績は70%と良好な状態であった。SPM(健聴者群とのジャックナイフ検定)では、両側側頭葉で僅かではあるが有意な糖代謝低下を認め、後頭葉内側には有意な糖代謝低下を認めた。側頭葉の聴覚野は13年間の人工内耳による聴覚刺激により、(聴覚刺激のない状態での)糖代謝は正常レベルに戻ったものと考えられた。刺激のない視覚野では依然として糖代謝の低下が認められると考えられた。本例において、左人工内耳埋込術後3年で、両側人工内耳装用、聴覚刺激下にPET検査を施行したところ、両側側頭葉(左側頭葉優位)に有意な糖代謝の上昇を認めた。その他の領域には変化を認めなかった。 本法は難聴患者において、聴覚刺激時の脳活動を客観的に評価しうる方法と考えられた。人工内耳の術側決定や、聴覚リハビリテーションの効果を判定するツールになり得ると期待される。
|
Research Products
(32 results)
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
[Presentation] 浅在化鼓膜症の手術2011
Author(s)
東野哲也, 松田圭二, 土屋克之, 佐藤伸矢, 後藤隆史, 外山勝浩
Organizer
第21回日本頭頸部外科学会
Place of Presentation
栃木県宇都宮市
Year and Date
20110127-20110128
-