2008 Fiscal Year Annual Research Report
新規めまいリハビリテーションの開発を目的とした基盤研究
Project/Area Number |
20591994
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Research Institution | St.Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
肥塚 泉 St.Marianna University School of Medicine, 医学部, 教授 (10211228)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北島 明美 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教 (20449391)
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Keywords | 前庭リハビリテーション / 可塑性 / 半規管-眼反射 / 体性感覚刺激 / 前庭代償 / 体性感覚刺激装置 / ヒト / 回転いす |
Research Abstract |
めまい・平衡障害患者の治療を行う上で、急性期はめまいに随伴する嘔気、嘔吐等に対する対症療法が主体となる。一方、亜急性期、慢性期は理学療法の一種である前庭リハビリテーションが主体となる。現在、一側前庭機能障害例に対して行われている前庭リハビリテーションは、視覚入力を積極的に活用して前庭代償を促進することを目的としている。視覚系は加齢とともに劣化することより、高齢者においては治療効果に限界が生じる可能性がある。また視覚障害も同時に有する患者に対しては、前庭リハビリテーションの適用自体が不可能となる。本研究では、視覚入力以外の感覚入力を積極的に利用した前庭リハビリテーション法を開発することを目的に、体性感覚入力が半規管一眼反射の可塑性に及ぼす影響について検討を加えた。体性感覚の刺激には、我々が独自に開発した、電磁式の体性感覚刺激装置を用いた。この装置は、被験者の上腕外側に“コの字型"アームの先に設置した圧力子を軽く接触させた後、これ全体を電磁石の力で被験者の両肩方向に動かし、上腕外側に交互に疼痛を与えない程度の圧刺激を、回転椅子の動きに同期して加えることが可能である。 体性感覚同方向および逆方向に40分間刺激を加えながら回転刺激を加えると、半規管-眼反射の利得は有意な低下を示した。体性感覚刺激を加えない状態で40分間刺激を加えながら回転刺激を加えると、半規管-眼反射の利得は有意な変化を示さなかった。体性感覚入力が半規管-眼反射の可塑性に影響を与える可能性が示された。これまでの視覚入力を主体とした運動療法に加え、体性感覚など他の感覚入力を積極的に活用して行う前庭リハビリテーションの有用性が示唆された。
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Research Products
(2 results)