2008 Fiscal Year Annual Research Report
ヒスタミンH4アゴニストが結合する新規GPCRの同定と鼻アレルギー治療への展開
Project/Area Number |
20592001
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
冨永 進 Okayama University, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (70420487)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡野 光博 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (60304359)
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Keywords | アレルギー性鼻炎 / ヒスタミン / メラノサイト刺激ホルモン / メラノコルチン1受容体 / サイトカイン / T細胞 |
Research Abstract |
我々は世界に先駆けてH4とアレルゲン特異的ヒトT細胞応答との関連について検討し、H4アゴニストがH4を介さずスギ花粉に特異的なヒトT細胞応答を抑制することを報告した(SugataY, Okano M, et al, Histamine H4 receptor agonists have more activities than H4 agonism inantigen specific human T cell responses. Immunology 121: 266-275, 2007)。この結果は、H4アゴニストは未知のGPCRとの結合を介してT細胞機能を抑制している可能性を強く示唆している。さらにcDNAマイクロアレイ解析によって、この反応にメラノコルチン1受容体発現が関与することが示された。この結果はメラノコルチン1受容体、あるいは本受容体のリガンドであるα-メラノサイト刺激ホルモン(α-MSH)がアレルギー性鼻炎の制御に関与する可能性を示唆している。そこでa-MSHがスギ花粉症患者由来末梢血単核細胞(PBMC)のスギ花粉アレルゲンCry j1に特異的なIL-5産生を制御するのか検討した。すなわち、2008年5〜6月にスギ花粉症患者より採血を行い、PBMCを分離した。PBMCをCry j1にて刺激する際に種々の濃度のα-MSHを添加した。培養72時間後に上清を回収し、上清中のIL-5濃度をELISAにて測定した。その結果、10^<-12〜-8>Mのα-MSHはCry j1に特異的なIL-5産生を有意に抑制することが明らかとなった。これらの結果は、H4アゴニストの免疫制御作用のひとつとしてメラノコルチン1受容体発現亢進作用があり、メラノコルチン1受容体はリガンドであるα-MSHと結合することによりアレルギー性鼻炎を制御しうる可能性が示唆された。
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Research Products
(5 results)