2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20592006
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
竹中 洋 Osaka Medical College, 医学部, 教授 (40137162)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
兵 佐和子 大阪医科大学, 医学部, 非常勤医師 (50469219)
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Keywords | スギ花粉曝露試験 / 非飛散期 / 鼻腔洗浄液 / CysLTs / CysLT1R / IL-4 / IFNγ |
Research Abstract |
2007年並びに2008年に行った大阪医科大学耳鼻咽喉科学教室の花粉曝露試験室を用いたスギ花粉曝露試験においてスギ花粉症ボランティアの中で、偽薬を投与した被験者26名を対象として、曝露前後の鼻腔洗浄液中のロイコトリエン並びにその誘導体とIL-4,IL-&,IFN-γとを測定した。鼻腔洗浄の方法は生理食塩水5mlにて両鼻腔を洗浄し、洗浄液を回収後、1500g×10分4℃にて遠心し、上清を回収して、-80℃で保存した。 鼻腔洗浄液中システィニルロイコトリエン(Cys LTs)濃度と、CysLTs受容体の一つであるCysLT1Rの細胞での発現を検討した。上清をCysLTs EIA kit (Cayman chemical)で測定した。一方沈殿した細胞をサイトスピンによってスライドグラスに貼付し、曝露前、後の検体でHE染色を行い、曝露後の検体では、抗LT1受容体抗体を用いて免疫染色を行った。末梢血も鼻汁と同様の処理を行い、上清中のCysLTs濃度をCysLTs EIA kit(Cayman chemical)で測定した。 鼻汁中好酸球数の曝露前後の比較では、曝露後に多い症例があった。さらに抗LT1受容体抗体を用いて免疫染色では、鼻汁中好酸球の多い症例で、LT1受容体陽性細胞が多く、それらをスコア化した検討では、鼻汁中好酸球数とLT1受容体陽性細胞数が有意に相関していた。(スピアマン順位相関係数検定r=0.68,p=0.0002) 鼻腔洗浄液中のサイトカインも同様の処理をした上清を用いてバイオソースヒトIL-6などELISA KITを用いてで測定した。何れも短期間のスギ花粉曝露前後では有為な産生を認めなかった。アレルゲン特異的IgE抗体産生に関与しているIL-13については今後の検討課題とした。 以上、非飛散期の3日間連続スギ花粉曝露ではinduction phaseに関係する有意なサイトカイン産生は鼻腔洗浄液では認められなかったが、effector phaseに出現する、好酸球を中心としたアレルギー炎症が関与していることがロイコトリエン、或はその受容体の測定で確認できた。しかし、マウスを使用したIgE抗体産生系では竹中らはIL-4が顎下リンパ節でのIgE抗体産生に極めて有用であること、IL-4産生には単球の関与が必要なことを認めている。遺伝子レベルでの探求が必要かもしれない。
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