2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20592006
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
竹中 洋 Osaka Medical College, 学長 (40137162)
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Keywords | 花粉曝露室 / 定量的花粉曝露 / 非飛散期誘発試験 / スギ花粉症 / ボランティア / RCT / 鼻腔最小面積 |
Research Abstract |
花粉曝露室でスギ花粉症に関する誘発試験を行い、その際に得られた鼻汁や血清について炎症性サイトカインについてELISAを用いて測定した。IL4、IL6、IFNは鼻汁中、血清中とも有意な変化は認めなかった。鼻汁中のヒスタミンについては約半数で誘発後に測定値が上昇した。但し、同一人で2日目に再現性を認めなかった。結果的に花粉曝露室における花粉曝露では、症状以外に誘発効果を決定するマーカーは見つからなかった。 症状においてはVASスケール評価による鼻閉が、rhinometryによる鼻腔最小面積と相関し、客観評価が可能となった。他の症状についてはボランティアの主観的評価によった。 最終的に大阪医大式花粉曝露室を用いたスギ花粉症ボランティアに対する誘発試験は、極めて再現性が高いことが判明した。また、3日間連続曝露をすることで、症状の重症度は有意に増悪し、非飛散期における誘発試験としては、最も自然誘発に近いことが確認できた。その結果、本曝露室で薬物の効果判定や治療効果の判定が可能と考えられ、治験や減感作療法の効果判定に十分耐えられると判断した。 しかし、動物実験などで示されている炎症性サイトカインの局所産生やヒスタミンの定量はヒトでは再現性がなく、病態に繋がる新しい発見はできなかった。これらの成果の一部は竹中洋著「気道アレルギーの成立とその制御」として2009年5月に記録集として出版された(第110回日本耳鼻咽喉科学会宿題報告記録集)。また、詳細については各学会で発表され論文化されている。
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Research Products
(3 results)