2008 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノム・プロテオーム解析を用いた頭頸部癌EGFR過剰発現関連分子の同定
Project/Area Number |
20592008
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
本間 明宏 Hokkaido University, 大学病院, 講師 (30312359)
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Keywords | 頭頸部癌 / EGFR / ゲノム / プロテオーム解析 |
Research Abstract |
当研究では現在サンプル回収を中心に行っている。該当サンプルを用いた検討では、DNA, mRNAおよびタンパク質のサンプル回収にはホルマリン固定後より、その品質において新鮮凍結標本が優れていることが確認された。新鮮凍結切片から組織を取り出す際、当研究ではLasermicrodissection技術の確立によりその切除範囲をさらに細かく設定することが可能となった。一例として単純に癌組織のみを切り出すのではなく、癌組織をさらに分化度によって細分化したもの、Stromal cell,重層扁平上皮基底部など同一サンプルから多種類の組織を採取、さらにここからDNA, RNA,タンパク質がそれぞれ不足なく抽出できることがわかった。Mutationに関してはいまだ今回の目的分子であるEGFRのvIII型の変異をもつものを細胞株以外では確認できていない。しかし組織採取の細分化によって同一症例サンプルにおける治療効果のheterogeneityのメカニズムをDNA, RNA,タンパク質の3つの面から効果に呼応する分子レベルの変化を網羅的に検討することで頭頸部扁平上皮癌の治療効果予測だけでなく、副作用の予測、さらには当該分子を標的とする分子標的治療のターゲット同定までが期待できる。同一症例から多数の部位を分離して採取しているため、多数のサンプルの回収にはさらに時間がかかる見通しとなったが、統計学的に有意な検討を行うためには50症例以上の検討が必要と考えられる。今後はさらに症例数を増加させ、Bioinfomatics分野からの助言を受けながら、多数の症例間で共通する標的分子を同定したい。
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Research Products
(8 results)