2009 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノム・プロテオーム解析を用いた頭頚部癌EGFR過剰発現関連分子の同定
Project/Area Number |
20592008
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
本間 明宏 Hokkaido University, 大学病院, 講師 (30312359)
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Keywords | 頭頸部癌 / EGFR / ゲノム / プロテオーム解析 |
Research Abstract |
頭頸部癌組織のMutationを解析したが、今回の目的分子であるEGFRのvIII型の変異をもつものは実際の検体では皆無であった。しかし、EGFRの機能に大きく影響を与えるであろういくつかのmutationを見つけることができた。これらの変異は肺癌や乳癌の研究においてすでに同定されたmutationの種類と相同性があり、タンパク質の構造学的にも影響があることがここ数年の論文に示されている。単純に変異の有無ではなく、その変異の位置によってその下流のシグナル伝達には大きな違いがあることが確認された。また同一症例サンプルにおいても野生型と変異型が混在しているという知見も得ることができた。すでに臨床応用されているEGFR阻害剤を用いて、EGFRの変異型に応じた効果の違いを引き続き検討していく予定である。実際にはいくつかの頭頚部癌細胞株を用いて人為的にいくつかの種類のEGFR変異株を作成して、分子生物学的アプローチにてその効果のメカニズムの解明にあたりたい。またEGFRの下流にあるPI3KCA、k-rasの変異についても検討を始めている。さらにはこれらの阻害剤の治療効果のheterogeneityのメカニズムをDNA,RNA,タンパク質の3つの面から効果に呼応する分子レベルの変化を網羅的に検討することで、頭頸部扁平上皮癌の治療効果予測だけでなく、副作用の予測、さらには当該分子を標的とする分子標的治療のターゲット同定までが期待できる。Bioinfomatics分野からの助言を受けながら、多数の症例間で共通する標的分子を同定したい。
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Research Products
(8 results)