2008 Fiscal Year Annual Research Report
タキサン系抗癌剤耐性分子の臨床的意義の解明と治療への応用
Project/Area Number |
20592014
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
増山 敬祐 University of Yamanashi, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (30181663)
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Keywords | 頭頸部癌 / タキサン系抗癌剤 / TRAG-3 / 免疫化学療法 |
Research Abstract |
進行頭頸部癌治療では機能温存治療が考慮される傾向にある。その遂行のためにタキサン系抗癌剤を用いた化学療法が脚光を浴びている。しかしながら、再発癌なども含めタキサン系抗癌剤に対する耐性の獲得もみられ治療の限界があると考えられる。そこで、耐性を獲得した癌細胞に対して薬剤耐性遺伝子をターゲットとした免疫療法を追加することで化学療法の限界を克服できないかと考え、頭頸部扁平上皮癌におけるタキサン系抗癌剤耐性分子の発現の有無をまず検討した。具体的には、タキサン系薬剤の耐性遺伝子であるTRAG-3(Taxol resistance-associated gene 3)の頭頸部扁平上皮癌細胞株における発現を調べた。その結果、既知の細胞株および頭頸部扁平上皮癌由来の細胞株7種のうち6種において、TRAG-3mRNAの発現を認めた。発現量には細胞株により差が認められた。TRAG-3には2つのvariantが存在するが、細胞株によりvariant1および2の発現には差が認められ、また同程度の発現を認めた細胞株も存在した。多くの頭頸部癌細胞株でタキサン系抗癌剤に対する耐性分子の発現が認められたことは、これらに対するキラーT細胞の誘導ひいては癌免疫療法の可能性を示唆するものである。今後、抗癌剤処理によりこれらの耐性分子の発現増強が起るのかどうか、また頭頸部癌のサンプルでの抗癌剤耐性分子の発現の有無、再発癌での耐性分子の発現の増強など、検討を進める予定である。
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Research Products
(7 results)