2009 Fiscal Year Annual Research Report
タキサン系抗癌剤耐性分子の臨床的意義の解明と治療への応用
Project/Area Number |
20592014
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
増山 敬祐 University of Yamanashi, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (30181663)
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Keywords | 頭頸部癌 / タキサン系抗癌剤 / 癌幹細胞 / 免疫療法 |
Research Abstract |
進行頭頸部癌治療においては近年機能温存治療が考慮される。そのためにタキサン系抗癌剤を用いた化学療法が注目されている。しかしながら、再発癌も含め抗癌剤に対する耐性の獲得もみられ限界がある。一方で、癌幹細胞は、抗癌剤耐性も含め癌の治療の抵抗性細胞となっていることが明らかになってきた。そこで今回は、頭頸部癌由来の細胞株を用いて、CD44+細胞とCD44-細胞に分離し、それぞれにおけるタキサン系薬剤耐性遺伝子であるTRAG-3(Taxol-resisitance-associated gene-3)の発現をPCRにて検討した。なおCD44+細胞は頭頸部癌の幹細胞であることが証明されている。その結果、CD44+およびCD44-いずれの細胞株においてもTRAG-3の2つのバリアントの発現を認めた。さらにreal time PCRにてTRAG-3発現の差を検討したが、両者に明らかな有意差は認めなかった。頭頸部癌幹細胞であるCD44+細胞は、docetaxelをはじめ各種抗癌剤に対してCD44-細胞に比較して抵抗性を示すことが我々の研究で明らかになっている。しかしながら、この結果から、両者の抗癌剤抵抗性は単純にTRAG-3発現の有無や程度によるものではないことが示唆されるようである。さらに、Cd44+細胞は、TregやMDSCsのような免疫抑制細胞を優位に誘導することを我々は明らかにしている。したがって、今後は癌幹細胞による免疫抑制機構を制御できるような免疫療法の開発が望ましいと考えられる。
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Research Products
(11 results)
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[Journal Article]2010
Author(s)
増山敬祐
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Journal Title
19. 耳鼻咽喉科疾患 上顎癌 (今日の診断指針 第6版 総編集:金澤一郎、永井良三)(医学書院)
Pages: 1665-1667
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[Journal Article]2010
Author(s)
柳原良次
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Journal Title
第2部 薬剤編 5. 鼻噴霧用薬 (薬剤ごとの違いが分かる ステロイドの使い分け 編集:山本一彦、鈴木洋司)(羊土社)
Pages: 165-179
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