2010 Fiscal Year Annual Research Report
頭頚部癌の上皮間葉移行に関する臨床的および基礎的研究
Project/Area Number |
20592015
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
峯田 周幸 浜松医科大学, 医学部, 教授 (40190714)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 克敏 浜松医科大学, 医学部, 教授 (20173974)
細川 誠二 浜松医科大学, 医学部, 助教 (50377743)
岡村 純 浜松医科大学, 医学部附属病院, 医員 (00402305)
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Keywords | 頭頸部癌 / 上皮間葉移行 / E-cadherin / ヒト乳頭腫ウイルス |
Research Abstract |
頭頸部癌組織を免疫染色法にてE-cadherin、Snail、Twistで、またウェスタンブロット法でRhoAタンパクの発現をしらべた。組織を癌組織とその周囲(浸潤部位)と切除断単(癌組織から離れている部位=非浸潤部位)の3種類で評価した。その結果と頭頸部癌のTN分類との関連を調べた。癌組織では上記タンパクの発現は非浸潤部位に比べて有意に発現していた。そしてT分類でT3/4の進行癌で著明であった。N分類とは有意な相関はなかった。癌の進展に上皮間葉移行が関連しており、それには癌細胞の形態変化をおこす因子の発現が関与していることが考えられた。各種の因子の中でSnailが最も浸潤に相関しており、キー因子になりうると思われた。 臨床因子(とくに喫煙や飲酒、ヒト乳頭腫ウイルス感染、性別、原発部位など)との関連をみると、E-cadherinの発現は喫煙に関連し、ヘビースモーカーほど発現は高く、癌の浸潤の要因になっていた。またヒト乳頭腫ウイルスはほとんどの遺伝子発現は癌組織と非浸潤部位とで変化はなかった。ヒト乳頭腫ウイルス関連頭頸部癌では、発癌および癌の進行に上皮間葉移行以外の経路の関与が疑われた。これらの癌では癌は間質に深く浸潤することなく、表皮での変化が主体であり、それが部分的に表皮下にこぼれてゆき癌化するが、主たる病変は表在であることを証明していた。 現在、転移リンパ節を現在調べているが、上皮間葉移行の関連は少ない傾向をみている。今後、血管内皮細胞の変化、血管周囲の間葉細胞の変化を免疫染色法で調べてゆく予定である。
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