2009 Fiscal Year Annual Research Report
いびきの音響解析と三次元CTによる睡眠呼吸障害患者の上気道閉塞部位診断法の確立
Project/Area Number |
20592018
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
原 浩貴 Yamaguchi University, 医学部附属病院, 講師 (90274167)
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Keywords | 睡眠呼吸障害 / いびき / 音響解析 / 閉塞部位診断 / 3次元CT |
Research Abstract |
睡眠呼吸障害はいびき・睡眠時無呼吸症候群を中心とした睡眠時の呼吸異常を包括する病態である。睡眠呼吸障害のほとんどは上気道閉塞に伴うものであることから、睡眠呼吸障害の病状としていびきはほぼ必発であり、いびきは睡眠中の上気道の閉塞状態に関する重要な情報を含んでいると考えられる。本研究では、いびきの音響解析法を軸に、睡眠中の呼吸様式と、3次元CTによる安静時の上気道形態の解析を組み合わせ、非侵襲的で正確な上気道閉塞部位診断法を確立することを目的とした。 本年度は鼻呼吸時および口呼吸時の上気道形態の3次元CTでの評価法につき、適正な条件の検討を行った。 方法:三次元CTを安静仰臥位で(1)鼻呼吸(閉口)(2)Muller法(鼻をつまみ閉口のまま吸気)(3)口呼吸(「開口距離」を基本とする)の3条件で撮影した。撮影は2mmスライスの条件でし、画像データをDICOM形式で保存し、データ解析はOsirix(Macintosh用画像解析フリーウェア:http://www.osirix-viewer.com/)を用いて行った。次いでVolume Rendering法で上気道の3次元構築を行い、各部位の計測を行い、各条件で比較した。比較のため、安静時に同様の3条件で喉頭ファイバースコープ検査を行い、気道形態の評価を行った。 この結果、3次元CT、ファイバー所見のいずれにおいても、口呼吸状態では開口により舌が後退し、気道の狭窄化を認めた。3次元CTの再構築画像は任意の角度から自由に観察が可能であり、正面・側面からの観察をおこなったが、いずれの面からみても狭小化が確認された。3次元CT画像解析による上気道形態評価法は睡眠ファイバー検査などの動態評価には及ぼないもののが、呼吸様式に伴う気道形態の評価においては非侵襲的でかつ、視覚的、客観的に明確な形態診断が可能であることが示された。
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Research Products
(4 results)