2009 Fiscal Year Annual Research Report
嚥下障害の病態および重症度評価に基づいた嚥下障害治療指針の確立
Project/Area Number |
20592020
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
兵頭 政光 Kochi University, 教育研究部・医療学系, 教授 (00181123)
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Keywords | 嚥下障害 / 標準的治療指針 / 嚥下機能の客観的評価基準 / 嚥下内視鏡検査 / 嚥下造影検査 / 嚥下圧検査 / リハビリテーション / 外科的治療 |
Research Abstract |
本研究では嚥下障害患者の病態および重症度を各種の嚥下機能検査により、多角的かつ定量的に評価し、嚥下障害の病態や重症度に関する客観的な判定基準を作成する。そして、この判定基準に基づいて、嚥下障害の予後予測、ならびにリハビリテーションや外科的治療の適応を含めた標準的な治療指針の立案を行うことを目的とする。 本年度において、嚥下内視鏡検査による嚥下機能のスコア評価基準を確立した。これは、「喉頭蓋や梨状陥凹の唾液貯留」、「声門閉鎖反射・咳反射の惹起性」、「着色水嚥下時の嚥下反射惹起性」、「着色水嚥下後の咽頭クリアランス」を0~3の4段階にスコア評価するものである。このスコア評価基準に基づいて嚥下機能の評価を行ったところ、嚥下障害の病態や重症度を評価する上で極めて有用であることを確認した。また、それに基づいて経口摂取の可否の判断を行うことも可能であった。 嚥下造影検査では、録画した造影検査所見から嚥下時の喉頭挙上のタイミングや挙上距離、食道入口部の開大度を2次元運動解析ソフト(DIPP-Motion Pro 2D)を用いて定量的に計測した。その結果、喉頭挙上のタイミングの遅れと嚥下障害の重症度には相関が認められた。本ソフトによる画像解析では、多数のパラメータを短時間に同時解析することができる利点があり、今後、定量的および客観的な嚥下機能評価法としてさらに検討を加える予定である。 ワレンベルグ症候群などによる嚥下障害患者を対象とした予後因子の検討では、特にリハビリテーションの限界を規定するものとして下咽頭や喉頭の感覚障害の程度が重要であることが明らかになり、感覚障害が高度の例は外科的治療の適応になると考えた。
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[Journal Article]2009
Author(s)
兵頭政光
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Journal Title
嚥下障害の手術. 口腔咽頭の臨床 第2版(臨床編/第8章摂食嚥下障害)(編集 日本口腔・咽頭科学会)(医学書院)
Pages: 142-143
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[Journal Article]2009
Author(s)
兵頭政光
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Journal Title
音声障害. 今日の治療指針 私はこう治療している(総編集:山口徹, 北原光夫, 福井次矢)(医学書院)
Pages: 1225-1226
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