2008 Fiscal Year Annual Research Report
核酸代謝酵素をターゲットとしたオーダーメイド頭頚部癌放射線化学療法の基礎研究
Project/Area Number |
20592021
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中島 寅彦 Kyushu University, 大学病院, 講師 (00284505)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安松 隆治 九州大学, 大学病院, 助教 (00444787)
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Keywords | 頭頸部癌 / フッ化ピリミジン / TS / DPD |
Research Abstract |
癌細胞の5-FU感受性を規定する因子としては、フッ化ピリミジン系抗癌剤代謝のkey enzymeであるthymidilate synthase(TS)とDihydro Pyrimidine Dehydrogenase(DPD)が従来注目されており、頭頸部癌でもそのmRNA,タンパク発現と薬剤感受性の相関を調べた報告は多い。しかしながら、癌細胞をTS,DPD cDNAにて形質転換し、細胞のレベルでその表現型を解析、さらに5FU系抗癌剤と放射線を組み合わせた放射線化学療法を行いその効果をみた研究は皆無である。我々は、頭頸部癌細胞を用いてTS,DPDの発現のみを変化させ、癌細胞の5FU感受性をin vitroにて検証した。 頭頸部癌細胞株にDPDのcDNA、antisense TS cDNAを発現ベクターpcDNA3にサブクローン下した後、リポフェクション法にて遺伝子導入した。得られた形質転換株の細胞増殖能を解析した後、5-FU感受性についてMTTアッセイ法にて解析を行った。 DPD高発現株はコントロールに比し細胞増殖能に変化はなかったが5-FU感受性が低下していた。またantisense TS導入株においては、細胞増殖能がロントロール株に比し低下しており、5-FU感受性は亢進していた。 以上の結果からDPD発現が低いほど、TS発現が低いほど頭頸部癌細胞の5-FU感受性は高いということができる。またDPD発現は癌細胞増殖能に影響しないがTS発現は細胞増殖能に影響することがわかった。
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Research Products
(4 results)