2008 Fiscal Year Annual Research Report
組織工学的手法を用いた新たな人工気管の開発と気管再生における上皮化機序の解明
Project/Area Number |
20592024
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
多田 靖宏 Fukushima Medical University, 医学部, 講師 (70363760)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹澤 俊明 独立行政法人農業生物資源研究所, 遺伝子組換え家畜研究センター, チーム長 (50301297)
横山 秀二 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (80381408)
三浦 智広 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (00423806)
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Keywords | 再生 / 気管 / コラーゲン / vitrigel / bi-potential scaffold |
Research Abstract |
われわれの先の研究にて気管上皮層の形成を促進する線維芽細胞の供給組織として歯肉粘膜が最も適切であることが判っている。しかし、培養細胞の導入には無血清培地での培養が不可欠であり、まだ安定していない。そこで細胞導入に先駆けて成長因子(b-FGF)を用いることを目的として、竹澤らが開発したコラーゲンゲル薄膜(vitrigel)に着目した。vitrigelは各種環境因子を含有することが可能で、従来のゲルの約20倍の強度を有することが判っている。更にコラーゲンスポンジ表面を平滑にコーティングできれば、宿主側の気管上皮の伸展を容易にし、結果的に気管上皮の再生を促進する可能性があると考えた。 本年度はコラーゲンスポンジにvitrigelを付加したbi-potential scaffoldの作製を行った。 I型コラーゲンとculture mediumを等量混合しゾル化させ、このゾルの上に切断したコラーゲンスポンジを置く。2時間経過した時点で温度10℃、湿度40%下の恒温恒湿器内で48時間乾燥させる。PBSを1dishあたり2mlずつ加え10分放置後除去する。これを3回行う。再び10℃40%の条件下で48時間乾燥させた後に、室温で保存してガラス化を進行させる。結果コラーゲンスポンジにvitrigel層を付加することに成功した。作製したBi-potential scaffoldのvitrigel層の表面形態を光学顕微鏡と電子顕微鏡にて評価した。いずれにおいてもコラーゲン線維間にvitrigelがしみ込み密な状態となり表面は平滑な構造となっていることが判った。最適なvitrige1の容量評価を行うために、現在ラットを用いた動物実験を開始しているが、現在のところ評価には至っておらず、引き続き実験を行っていく必要がある。
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Research Products
(2 results)