2009 Fiscal Year Annual Research Report
頭頚部癌幹細胞における遺伝子増幅の蓄積を指標とした抗癌剤・放射線治療の感受性予測
Project/Area Number |
20592026
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
石川 和宏 Jichi Medical University, 医学部, 講師 (40296083)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市村 恵一 自治医科大学, 医学部, 教授 (00010471)
西野 宏 自治医科大学, 医学部, 准教授 (50245057)
石井 秀始 九州大学, 生体防御医学研究所, 学術研究員 (10280736)
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Keywords | 癌幹細胞 / 癌治療 |
Research Abstract |
近年、癌組織の中で化学療法や放射線治療に高い抵抗性を示す癌幹細胞が注目されている,癌幹細胞では非癌幹細胞とは異なる遺伝子変化を獲得することによりこのような治療抵抗性を示すと考えられる.頭頸部癌細胞においても癌幹細胞が存在し、CD133等の表面マーカーが陽性になると考えられている.我々は頭頸部癌細胞での遺伝子増幅について検討した.頭頸部癌細胞では11q13領域の遺伝子増幅が知られているが、癌幹細胞で本領域の遺伝子増幅を認めた.本領域にはDNA損傷後のチェックポイント応答に関与するRad9遺伝子が位置する.これまで我々は1.Rad9が重要な癌抑制遺伝子TP53の転写産物p53蛋白質と直接相互作用すること、2.頭頸部癌の免疫組織学的検討でRad9とp53は同一の領域、特に癌組織と正常組織の境界領域に発現しており、この部位に癌幹細胞が存在する可能性があることを明らかにした.今回それに加えてRad9がDNA損傷後の修復に関与する蛋白質Rev7と結合することを見出した.すなわち頭頸部癌幹細胞においてRad9はp53やRev7と相互作用することでDNA損傷後のチェックポイント応答異常や損傷修復の異常がその病態に関与している可能性が示唆された。
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