2008 Fiscal Year Annual Research Report
喉頭機能温存手術SCL-CHEPの術後音声嚥下機能に関わる生理的エビデンスの解析
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20592028
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
中山 明仁 Kitasato University, 医学部, 講師 (20207955)
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Keywords | Laryngeal cancer / Laryngeal preservation / Electromyography |
Research Abstract |
喉頭機能温存手術SCL-CHEPでは病変を含む甲状軟骨を中心に3/4の喉頭が切除され、輪状軟骨と披裂軟骨からなる1/4の喉頭が温存される。再建の過程で温存喉頭部は舌骨まで引き上げられ喉頭蓋・舌根部との相互作用により音声・嚥下機能を可能にしている。新声門が機能するためにCricoarytenoid Unit(以下CAU)の温存は不可欠である。CAUは輪状軟骨と披裂軟骨(両側・片側)と内喉頭筋(後輪状披裂筋:後筋,外側輪状披裂筋:側筋,披裂筋:横筋)と上喉頭神経、反回神経からなる。CAUに関わる組織が生理的にどのように作用するかを研究により明らかにする。 CAUには側筋、横筋、後筋の内喉頭筋が関わることが明らかとなった。切除範囲に側筋が含まれた場合綱筋と横筋のみでも残存披裂部は機能できることがわかった。その際、残存披裂部は甲状披裂筋の関与が解かれているため、輪状披裂関節がより効率的にかつ微小な力で可動性を維持できることが示唆された。 高速度撮影の検討では、予備的に検査を行った2症例において興味深い結果が得られた。2症例共に粘膜振動が不規則で、喉頭ストロボスコピーでは振動波形の検出が困難であった。高速度撮影で発声時の基本周波数に一致して披裂部の内側粘膜の振動を確認できた。新声門の音源定位の手法として有用であることが示唆された。
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