2009 Fiscal Year Annual Research Report
喉頭機能温存手術SCL-CHEPの術後音声嚥下機能に関わる生理的エビデンスの解析
Project/Area Number |
20592028
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
中山 明仁 Kitasato University, 医学部, 講師 (20207955)
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Keywords | Laryngeal cancer / Laryngealpreservation / Margin study |
Research Abstract |
喉頭機能温存手術SCL-CHEPでは病変を含む甲状軟骨を中心に3/4の喉頭が切除され、輪状軟骨と披裂軟骨からなる1/4の喉頭が温存される。再建の過程で温存喉頭部は舌骨まで引き上げられ喉頭蓋・舌根部との相互作用により音声・嚥下機能を可能にしている。 喉頭亜全摘出により摘出された検体の腫瘍学的正確性を評価する目的でマクロとミクロレベルで切除断端を計測した。その結果、前方、上方において断端は十分であることが確認された。後方断端は1-2mmと僅少であったが、断端陽性例はなかった。下方断端は陽性例があり、これらの症例は予後も不良であった。切除断端陽性は予後規定因子になりうると思われた。術中迅速診断にて切除断端の正当性を検討してきたが、総合的に迅速診断の臨床的意義について評価する必要性を示唆していた。 高速度撮影の検討では、予備的に検査を行った2症例において興味深い結果が得られた。2症例共に粘膜振動が不規則で、喉頭ストロボスコピーでは振動波形の検出が困難であった。高速度撮影で発声時の基本周波数に一致して披裂部の内側粘膜の振動を確認できた。新声門の音源定位の手法として有用であることが示唆された。追加検討した症例でも類似した傾向が認められた。 新声門の3次元構築では披裂部と喉頭蓋の間においてさまざまな形態を呈する声門の形態が観察された。この形態により形成される気流が音質に関係するのではと示唆された。
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