2011 Fiscal Year Annual Research Report
喉頭機能温存手術SCL-CHEPの術後音声嚥下機能に関わる生理的エビデンスの解析
Project/Area Number |
20592028
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
中山 明仁 北里大学, 医学部, 講師 (20207955)
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Keywords | 喉頭癌 / 喉頭亜全摘出術 / 喉頭機能 / 機能温存 / 音源定位 / 音声 |
Research Abstract |
喉頭機能温存手術SCL-CHEPでは病変を含む甲状軟骨を中心に3/4の喉頭が切除され、輪状軟骨と披裂軟骨からなる1/4の喉頭が温存される。再建の過程で温存喉頭部は舌骨まで引き上げられ喉頭蓋・舌根部との相互作用により音声・嚥下機能を可能にしている。新声門が機能するためにCricoarytenoid Unit(以下CAU)の温存は不可欠である。CAUは輪状軟骨と披裂軟骨(両側・片側)と内喉頭筋(後輪状披裂筋:後筋,外側輪状披裂筋:側筋,披裂筋:横筋)と上喉頭神経、反回神経からなる。CAUに関わる組織が生理的にどのように作用するかを研究し、下記の結果を明らかにした。 1)Cricoarytenoid Unit(CAU)の術中筋電図検査:術中喉頭筋電図の計測による解析を行い、CAUに関わる閉鎖筋と開大筋の相反的収縮が確認された。また、内喉頭筋の中でしばしば切除の対象となるLCが欠損しIAとPCAのみでも披裂軟骨が機能することも確認した。 2)Multi Detector CT scanによる新声門の形態的評価:CAUに関わる内喉頭筋の役割と実際の新声門(披裂部)の可動性を検証するためにMDCTによる披裂軟骨の可動性の検証を行った。発声時と吸気時の披裂部の動きの解析にて片側披裂部残存症例は両側残存例に比べて可動性が有意に大きいことが確認された。 3)新声門の高速度撮影と音声機能検査による音源同定:高速度撮影の解析では残存披裂部内側と喉頭蓋の相互作用が音源として機能していることが確認された。
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