2008 Fiscal Year Annual Research Report
糖尿病網膜症におけるアクチビンーフォリスタチン系の役割
Project/Area Number |
20592032
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
岸 章治 Gunma University, 大学院・医学系研究科, 教授 (30125843)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小島 至 群馬大学, 生体調節研究所, 教授 (60143492)
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Keywords | アクチビン / 糖尿病網膜症 |
Research Abstract |
増殖糖尿病網膜症の発症機序解明のため、TGF-βスーパーファミリーに属するアクチビンの血管新生作用を検討した。既に増殖糖尿病網膜症患者の硝子体中には、単純糖尿病網膜症患者硝子体中よりも有意に高濃度のアクチビンがあることをELISA法にて確認しているが、まず増殖糖尿病網膜症の一つの反応である血管新生におけるアクチビンの作用を解明するために血管内皮細胞の管腔形成作用、増殖作用を検討した。 実験は、ヒト臍帯静脈血管内皮細胞(HUVECs)を用いて線維芽細胞とコラーゲンゲル3次元培養を行い、10日目に血管内皮細胞の管腔長さ、面積を調べた。また、培養の際には、アクチビンのアンタゴニストであるフォリスタチン及びVEGFの添加による影響も検討した。1.アクチビン添加によりHUVECsの管腔形成は抑制された。2.フォリスタチン添加によりHUVECsの管腔形成は促進された。3.VEGF存在下でアクチビン添加するとアクチビンはVEGFめ管腔形成作用を抑制した。4.VEGF存在下でフォリスタチンを添加するとVEGFの管腔形成作用は促進された。 以上のことよりアクチビンは、HUVECsの管腔形成に抑制的に作用し、フォリスタチンは促進的に作用し、この作用はVEGFの管腔形成作用を制御しうることを解明した。
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