2010 Fiscal Year Annual Research Report
糖尿病網膜症におけるアクチビンーフォリスタチン系の役割
Project/Area Number |
20592032
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
岸 章治 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (30125843)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小島 至 群馬大学, 生体調節研究所, 教授 (60143492)
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Keywords | アクチビン / 糖尿病網膜症 |
Research Abstract |
増殖糖尿病網膜症の病態として血管新生と増殖膜の形成が重要である。この血管新生と増殖膜の形成に関わっている因子としてTGF-βスーパーファミリーの一つであるアクチビンとそのアンタゴニストであるフォリスタチンに注目し、その作用を明らかにすることを目的としている。今までに増殖糖尿病網膜症患者の硝子体中には、単純糖尿病網膜症患者の硝子体よりも高濃度のアクチビンが存在していることをELISAにて示し、HUVECsでのコラーゲンゲル3次元培養においてはアクチビンが管腔形成抑制因子として作用し、フォリスタチンでは逆に管腔形成を促進する作用をもつことを確認した。In vivoにおいてはマウス脈絡膜血管新生を作成しアクチビンを硝子体内に注射すると新生血管が縮小することを確認した。今年度は、マウス脈絡膜血管新生における線維化について検討した。実験的にマウスにレーザーをあて脈絡膜血管新生を作成し、アクチビンを1μ1硝子体中に注射し、10日目に眼球摘出し切片を作成。血管新生を含む切片にα-SMA、MMP)染色を行った。アクチビンを注射したマウスでは、血管新生周囲でのα-SMA陽性細胞は、アクチビンを注射していない群に較べて多くあった。MMPについては何度か実験を行ったが一定の結果が得られず、もう少し検討が必要と思われる。以上によりアクチビン注射により新生血管周囲では筋線維芽細胞様の細胞が多くなり線維化を促進している可能性が示唆された。
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