2010 Fiscal Year Annual Research Report
極早期緑内障の網膜神経線維欠損の構造的および機能的解析による病態解明
Project/Area Number |
20592034
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
大久保 真司 金沢大学, 附属病院, 助教 (90362003)
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Keywords | 極早期緑内障 / 網膜神経線維層欠損 / 光干渉断層計 / 視野 |
Research Abstract |
極早期緑内障の半視野における構造と機能の関係極早期緑内障の半視野における構造をスペクトラルドメイン(SD)光干渉断層計(OCT)を用いて、機能をハンフリー視野計(HFA)およびマイクロペリメトリー1を用いて検討し、構造と機能の関係を検討した。極早期緑内障群において網膜神経線維層欠損がある半網膜は、正常群に比べ構造は障害されていた。極早期緑内障群において網膜神経線維層欠損がある半視野は、網膜神経線維層欠損がない半視野に比べ、機能も構造もより障害されていた。しかし、格子状に測定した神経線維層の厚みとその部位の感度は、相関がみられなかった。眼底対応視野計による極早期緑内障の視野異常検出とOCTによる構造の変化の検討通常の視野計は検査間隔が6度間隔の格子状であるが、それでは初期の限局性の網膜神経線維層欠損に対応した機能的変化を捉えることは不可能であり、眼底対応視野計を用いて、網膜神経線維層欠損に対応させて、閾値を測定し、さらにその部位をSD-OCTにて詳細に検討した。網膜神経線維層欠損上でも、その深さが異なりその障害程度に応じて機能的な障害もみられ、神経線維走行に応じた詳細な構造的な変化と、その走行に応じた視野障害がみられることを確認した。極早期緑内障のタイムドメインOCT(TD-OCT)による網膜神経線維欠損の検出能明らかな網膜神経線維層欠損がみられが、通常の視野検査では異常がみられない極早期緑内障23例23眼(平均年齢55.5±11.9歳)および正常眼33例33眼(平均年齢50.5±13.8歳)における網膜神経線維層欠損(NFLD)のTD-OCTとSD-OCTによる網膜神経線維層欠損(NFLD)の検出能を比較検討した。NFm検出のTD-OCT、ONH、RNFL3.45の感度・特異度は48%・84.8%、96%・70%、96%・60.6%であった。TD-OCTでは細いNFLDの検出は困難であったが、SD-OCTではONH、RNFL3.45ともに細いNFLDの検出感度が良好であった。しかしSD-OCTの特異度はTD-OCTに比べて劣ることが明らかになった。
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Research Products
(4 results)