2010 Fiscal Year Annual Research Report
水晶体におけるマイクロRNAの同定と機能解析および白内障関連遺伝子の解明
Project/Area Number |
20592036
|
Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
久保 江理 福井大学, 医学部, 准教授 (10262619)
|
Keywords | micro RNA / Tropomyosin / 白内障 / Peroxiredoxin6 |
Research Abstract |
前年度までの研究により水晶体の発達、白内障発症に、miRNAの関与があることが示唆された。miRNAパスウエイの抑制をmiRIDIAN miRNA mimicsを用いて行なった。その結果、ラット水晶体上皮細胞(LEC)に、miR551bを抑制すると、抗酸化蛋白であるPeroxiredoxin6(Prdx6)の発現が上昇し、miR29cを抑制すると、細胞骨格蛋白であるTropomyosinの発現が、低下した。miRNA 29cを模倣したこの分子(miRNA precursor)を細胞に直接導入し、miRNA 29cの活性をアップレギュレートした。ラット水晶体には、Tropomyosinの発現はわずかであるが、白内障動物モデルShumiya Cataract Rat(SCR)水晶体において,白内障を有する水晶体(SCR+)においては、Tropomyosinの発現が上昇する。このSCR+LECに、miR29cprecursorをトランスフェクションし過剰発現すると、Tropomyosinの発現が減少した。よって、これらの結果よりmiRNA551bはPrdx6を、miRNA29cはTropomyosinを翻訳レベルで制御することが分かった。SCR水晶体において、Tropomyosinの発現を免疫組織化学染色法で確認した。Tropomyosinは、白内障を有しない水晶体(SCR-)のLECの細胞質および表層皮質にわずかに発現している。しかし、SCR+の水晶体では、発現量が増加していた。さらに、200-400J/m^2のUV-Bを培養LECに照射すると、miR29cのmRNA発現が減少し、TropomyosinのmRNA発現が上昇した。よって、miR29cは、紫外線などのストレスにより、Tropomyosinをはじめとする遺伝子の翻訳制御を行っている可能性がある。
|
Research Products
(2 results)