2008 Fiscal Year Annual Research Report
網膜色素変性における黄斑部錐体細胞の機能評価法の確立と治療応用の検討
Project/Area Number |
20592037
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中村 元 Kyoto University, 医学研究科, 助教 (80447953)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
板谷 正紀 京都大学, 医学研究科, 講師 (70283687)
大谷 篤史 京都大学, 医学研究科, 助教 (30314222)
広瀬 文隆 京都大学, 医学研究科, 助教 (70447952)
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Keywords | 網膜色素変性 / 黄斑部錐体細胞 / 局所網膜電図 / 三次元光干渉断層計 / 機能評価法 |
Research Abstract |
網膜色素変性では杆体機能障害が先行し、錐体機能は比較的長期に維持される。それ故、黄斑部における局所網膜電図と3D-OCTの関係を理解することは網膜色素変性の視機能予後を評価するシステムを作成するために有効であると考えられる。我々は3D-OCTに示された視細胞内節外節境界(IS/OS)をその見え方により3群(IS/OSなし;IS/OS 2mm以下;IS/OS 2mmより長い)に分類して、黄斑部局所網膜電図のa波、b波、OP波の振幅を3群間で比較した。そしてIS/OSの長さで分類した視細胞構造変化が、黄斑部局所網膜電図で評価された網膜機能を反映することを示した(Oishi A, Nakamura N et al. Eye 2009)。さらに、我々は網膜色素変性の黄斑部のIS/OSの長さと局所網膜電図のa波、b波、OP波の振幅と3D-OCTによる網膜外層と内層の体積、ハンフリー視野計10-2プログラムのmean deviation (MD)値の関係を昨年度から検討してきた。MD値とa波、b波、OP波の振幅はIS/OSの長さと比較的に強い相関を示したが、網膜外層、内層の体積は強い相関を示さなかった。また局所網膜電図は外層よりもむしろ内層の体積と強い相関を示した。つまり、MD値やa波、b波、OP波の振幅もIS/OSの長さと同様に網膜色素変性の黄斑部錐体機能を反映する。一方、網膜体積の変化は内層も外層も病期の進行を鋭敏に反映しなかった。局所網膜電図が外層よりもむしろ内層と強い相関を示すことは、網膜色素変性における内層の二次変性が反映されたと考えている。本年度は、これら病態変化の意義を機能的、形態学的手法により検討し、網膜色素変性における黄斑部錐体細胞の機能障害を客観的かつ定量的に評価するシステムの開発を目指す。
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Research Products
(2 results)