2009 Fiscal Year Annual Research Report
スペクトラルドメイン光干渉断層系による緑内障診断プログラムの開発
Project/Area Number |
20592038
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
板谷 正紀 Kyoto University, 医学研究科, 准教授 (70283687)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 元 京都大学, 医学研究科, 助教 (80447953)
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Keywords | 緑内障 / 光干渉断層計 / 早期発見 / 黄斑 / 網膜神経線維 |
Research Abstract |
光干渉断層計(OCT)『エラ0解析』に関しては、最新の網膜10層のセグメンテーションソフトウエアの再現性と2人のgraderによるエラー率の検定を行い、10層セグメンテーションのアルゴリズムを検証した。『緑内障黄斑解析プログラムの開発』のため、黄斑部の神経線維層(NFL)、NFL+神経節細胞層(GCL)+内網状層の3層、およびGCL+IPLの2層の厚みをセクター解析し、それぞれのパラメーターの各セクターにおける緑内障検出力を明らかにした。この研究において『簡易スキャンプロトコール』として、従来用いられてきた黄斑解析用のETDRSチャートの問題点を明らかにし、より緑内障性障害を反映するglaucomaチャートを考案し、ETDRSチャートとの比較により、その利点を明らかにした。また、従来OCTでは明瞭に観察できなかったGCLが、加算平均法によるスペックルノイズにより可視化されることを証明し、視野異常が検出される以前からGCLが局所的に激しく障害されていることを明らかにし、GCLを標的とした診断法の基盤となる成果を得た。『形態機能相関研究』として、このGCLの局所的萎縮部位と静的視野の視感度低下部位が相関することを統計学的に証明した。また、9ヶ月間に視野の進行が検出できなかった緑内障患者群でOCTによるNFL+GCL+IPLの厚みの変化が有意に生じていることを証明し、視野で検出できない短期の形態変化が検出可能であることを世界で初めて証明した。これら21年度の研究成果は、緑内障診断において黄斑部のNFLとGCLを中心とする内層構造の変化がOCTにより捉えられ、視野障害と相関し、早期の緑内障を診断し、経過を観察する上で有用という、緑内障臨床に極めて重要な知見をもたらした。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Three-dimensional profile of macular retinal thickness in normal Japanese eyes.2010
Author(s)
Ooto S, Hangai M, Sakamoto A, Tomidokoro A, Araie M, Otani T, Kishi S, Matsushita K, Maeda N, Shirakashi M, Abe H, Takeda H, Sugiyama K, Saito H, Iwase A, Yoshimura N
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Journal Title
Investigative Ophthalmology and Visual Science 51
Pages: 465-473
Peer Reviewed